拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

朝の戦いへと挑みながら

あなたへ

 

どんなに筋肉を褒めてみても、

宥めてみても、

励ましてみても、

何をしても、なかなか目を覚まさないのは、ここ最近の朝のあの子です。

 

起きて?朝だよ

 

あの子を揺すって、何度も声を掛ければ、

漸く聞こえてくるのは、あの子の小さな声。

 

そこに線引いてもいいの?

え?それって模型に使えるの?

 

頭の中の殆どを乗り物率で占めていたはずのあの子の寝言に、

勉強の内容が出て来る日が来るだなんてね。

 

関心したら良いのか、

心配した方がいいのか、

複雑な気持ちにもなりますが、

すっかりと目を覚ましたあの子は、寝惚けて発した言葉を覚えていて、

それを笑っているのだから、きっと心配はないのでしょう。

 

これまで、一度たりとも、

あの子の口から勉強に関する寝言など、聞いたことはありませんでしたが、

今のあの子がどれだけ本気で、今やるべきことと向き合っているのかを、

計り知ることが出来たようにも感じています。

 

今の私があの子にしてあげられることは、

食事の準備と、朝、起こしてあげること。

 

あの子がこのまま、真っ直ぐに歩めますようにと祈りながら、

私は、なかなか起きない近頃のあの子との、朝の戦いへと挑んでいるのです。

 

あの子の寝言を聞きながら、思い出していたのは、あなたのこと。

私が初めて、あなたの寝言を聞いたのは、

私たちが出会ってから、どのくらいが経った頃だったでしょうか。

 

ねぇ、起きて?

 

こんな私の言葉に、

 

あっ、そこは赤に染めてくれる?

その丸いところね

 

こんな言葉を返してくれたあなた。

 

明らかに、夢の中でもお仕事中だったあなたの寝言に笑ってしまったけれど、

あの時の私は、あなたがどんなに一生懸命に、

仕事に取り組んでいるのかを知ることが出来たようにも感じていました。

 

夢の中でも仕事をしていたあなたと、

夢の中でも勉強をしているあの子。

 

目の前のことに一生懸命に取り組んで、

夢にまで見ちゃうところも、

あの子はあなたに似ているのかも知れませんね。

 

あの子の成長と共に、あなたに似てきたところを、

これまでに幾つ、見つけたでしょうか。

 

ちょっとだけ、大変な朝の中にもまたひとつ、

あなたによく似たあの子を集めることが出来ましたよ。

 

 

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