拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

車上荒らしに遭って感じたこと

あなたへ

 

俺の車が荒らされてる

 

こんな言葉に驚いて、

急いであの子のところへ向かったのは、先日のことでした。

 

あの日は、朝からアルバイトの予定だったあの子。

 

いってらっしゃい

行ってきます

 

玄関で、いつも通りの挨拶をして送り出してから間も無くに、

あの子からの電話が鳴ったのでした。

 

いつも綺麗にしていたあの子の車は、

窓ガラスが割られ、車内は酷い状態に。

 

驚きながらも、平常心でいられたのは、

あの子がとても、落ち着いていたからだったのかも知れません。

 

現場検証を終え、車内の掃除を手伝いながら、

思い出していたのは、この車が納車されたばかりだった頃のこと。

 

わざと遠回りをして、運転することを楽しんだり、

駐車場に着いても、なかなか降りずに、ただ車内の空間を楽しんだり。

 

本当に嬉しそうだったあの頃のあの子は、あれからもずっと、

この車を大切にしていました。

 

車が盗まれたわけじゃないしさ

 

掃除をしながら、あの子はポツリと言いました。

 

確かに。

車両が盗難に遭わずに済んだことは、

唯一の救いだったとも言えるのかも知れません。

 

現場検証、車内の掃除。

あの日の私たちは、

辺りがすっかり暗くなった頃になって漸く、

全ての作業を終えることが出来たのでした。

 

何故、あの子がこんな目に遭わなければならないのかと、

何処に向けたら良いのか分からないままに、

憤りを感じてもしまいますが、

でも、と思いました。

 

車上荒らし。

一見して、不運な出来事としか捉えることが出来ない状況ですが、

私たちは、きっと、

私たちが思っているよりもずっと、あなたから守られている。

 

それなら、あの日の足止めがなければ、

もっと別な大きなトラブルに巻き込まれてしまっていた可能性だって、

あったのかも知れません。

 

あの子の体が無事で、いつも通りに笑ってくれているのだから、

やはり、此処に続くのは、

いつも通りの幸せな時間に変わりはないのだと思いました。

 

ねぇ、あなたはきっと、守ってくれたんだね。

あの子が健康に、笑っていられるようにって。

 

あの子も私も、同じことを感じていたのだから、

きっと、そうなのでしょう。

 

きっと、守ってくれたあなた。

ありがとう。

 

 

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