拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

初めてのイベント

あなたへ

 

入学式の延期のお知らせから始まったあの子の専門学生生活は、

交流の輪を広げるためのキャンプも、

スポーツ大会も、海外研修も、職場体験も、

楽しそうなイベントは全て中止が発表され、

ただ、勉強に向き合うだけの日々となりました。

 

あの学校へ行くことが出来て良かったと、こんな話してくれたのは、

漸く、学校へと登校出来るようになってから、

少しの時間が経った頃のことでしたが、

あれからもずっと、日々の学生生活の中での楽しい話は尽きることはなく、

あの子なりに、

そこにたくさんの楽しさを見つけて此処までを歩んで来ました。

 

こちら側の現状から、

このまま卒業を迎えることも仕方がないようにも感じていましたが、

先日、スポーツ大会が行われました。

 

専門学校へと入学してから、初めてのイベントです。

 

楽しそうなイベントに胸を躍らせたあの子は、前日から大興奮。

そうして迎えた当日の朝は、

とても張り切って、早くに出掛けて行きました。

 

様々なスポーツへと取り組んだあの日、

帰宅したあの子が一番楽しそうに話して聞かせてくれたのは、リレーでのことでした。

 

俺、足が早くなっていたんだよ

びっくりしたよ

 

こんな言葉と共に動画を観せて貰えば、

バトンを持って、堂々とトップを走るあの子の力強い姿に、

思わず感動してしまいました。

 

中学生の頃は、長距離選手だったあの子。

走るのは好きだけれど、決して特別分野ではなく、

また、短距離走に関しては、苦手意識もあったあの子ですが、

自身でも気付かぬうちに、

実はこっそりと、開花していたようです。

 

走ること自体、とても久し振りだったあの子ですが、

これは日々の筋トレの効果もあってのことなのでしょうか。

人間の成長というのは、本当に分からないものですね。

 

専門学校へ入学し、3年目にして初めてのイベントでは、

あの子の新しい一面を発見する機会ともなりました。

 

あの日のあの子の口からは、

たくさんの楽しかったという言葉を聞くことが出来ました。

 

きっとこれから先、何年が経っても、

学生生活を振り返れば、

最高に楽しかった思い出として、

あの子の中に、色濃く残る大切な宝物となることでしょう。

 

ねぇ、あなたは、何処かで見ていたのかな。

あの子の笑顔も、バトンを持って力強く走る姿も。

 

 

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