拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

生きるってなんだろう

あなたへ

 

ねぇ、あなた。

生きるってなんだろう。

 

こんなふうに問い掛けたのは、いつの頃だったでしょうか。

 

生きるとは、

時に、とても矛盾していて、悲しくて、苦しいものなのだと、

こんな答えを見つけたのは、

あなたよりも、ひとつ年上になった私でした。

 

きっとそこに、明確な答えはなくて、

どんな答えを導き出そうとも、全てが正解である問いなのかも知れません。

そして、明確な答えが存在しないからこそ、

永遠に違った答えを導き出せる問いであるとも、

言い換えることが出来るのかも知れません。

 

あなたを見送ってからの私は、様々に考えを巡らせては、

その時々に見つけた正解を私の正解としてきましたが、

生きるって、本当は、

大切なものが、どんどん増えて、

愛おしいものが、どんどん増えて、

自分が集めたそれらを、不意に振り返った時に、

明確な理由も分からないままに、

意味もなく、泣きたくなってしまうことなのかも知れません。

 

何気なく過ごした時間の中にも、

ただ穏やかに過ぎ去った時間の中にも、

必ず、それらは存在し、

どんどん、どんどん、胸の中へと蓄積され続け、

もう二度と、手を触れることは出来なくとも、

そこに感じる温かなものは、いつでも包み込んでくれるのです。

 

そうして不意に、

今この瞬間も、愛おしい時間であるということに気が付いて、

目の前にある愛おしさに、そっと手を伸ばしてみれば、

その感触もまた、それまで集めたものの一部となって、

胸の中へと蓄積されていくのです。

 

大切に、大切に集めてきたそれらの記憶が、不意に蘇った時、

ただただ愛おしくて、

ほんの少しだけ、泣きたいような気持ちを初めて見つけたのは、

いつのことだっただろう。

 

これまで歩んできた道のりの中、

そして、

これから歩む未来にも、ずっとずっとそれらは無限に用意されていて、

最期の瞬間を迎える時まで、

それらの愛おしいものたちを集め行くのがきっと生きるということなのだと、

今、此処にいる、

あなたよりも4つ年上になった私は、こんな答えを見つけました。

 

あなたは、この世界で、

どのくらいの愛おしいものを集めましたか。

 

それらは、今でも、

その胸の中をいっぱいに満たしていますか。

 

どうか、

この世界であなたが集めたものたちが、

ずっとずっと、

その胸の中をいっぱいに、満たし続けていますように。

 

 

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