拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

我が子の中にお守りを詰め込む時間

あなたへ

 

私はいつから、

あの子を諭すことも、叱ることもしなくなったのだろう。

 

課題に取り組むあの子、

趣味に没頭するあの子、

日々の生活の中でのあの子の振る舞いを知った時、

あの子の考え方に触れた時、

そこに大きな成長を感じては、

あの子を褒める時間だけが増えていくようになったのは、

いつからだったでしょうか。

 

心を込めてあの子を褒める時間を、大切に過ごしていきたいなって、

あなたへのこんな手紙を書いたのは、

昨年の、あの子の冬休みが明けたの頃のことでしたが、

こうして振り返ってみると、

子育ての終盤というのは、

もう、諭すことも叱ることもなくなり、

ただ褒める時間だけが残るものなのかも知れません。

 

そんな時間は、これから巣立っていく我が子の心の中へ、

勇気に変わるお守りを詰め込む時間なのだと、

いつの頃からか、私は、こんなふうに考えるようになりました。

 

ねぇ、あの頃のあなたは、

こんな未来が来ることを想像することが出来ていましたか。

 

これは危ないよ

これは駄目だよって、

この世界に誕生したばかりのあの子を育てながら、

いつの間にか、叱ることばかりが増えて、

悩んだこともありましたね。

 

あの子の成長と共に、

「叱る」を通り越して、「怒る」になってしまったこともありました。

 

出来ることなら、たくさん笑って、たくさん褒めて、

そんな笑顔溢れる時間ばかりがあれば良いと願っているのに、

時には上手く行かない日もありましたね。

 

叱ることにも怒ることにも疑問を感じて、

「諭す」というやり方を見つけたのは、あなたを見送ってからの私でした。

 

それなのに、

やがて反抗期を迎えたあの子の成長についていけずに、

諭すことも、叱ることも忘れて、感情的になってしまったこともあれば、

怒鳴り合いの喧嘩になってしまったこともありました。

 

あの子に隠れて泣いてしまったのは、

思いの外、強い言葉をぶつけてしまい、

自分の未熟さを思い知った日のことでした。

 

こうして振り返ってみると、

あなたと共に、あの子の成長を見守った頃の私にも、

あなたが此処にいないままに、

どんなふうにあの子と向き合えば良いのかと、

たくさん悩んでいたあの頃の私にも、

想像も出来なかった未来が此処にあるような気がします。

 

子育てが終わりに近付いていくと、

ただ、たくさんの褒め言葉を送る時間だけが待っていてくれて、

きっとそれは、我が子が自分の元に居てくれる間に、

最後にしてあげられることなんだろうなって。

 

そして、こんなに素敵な時間が此処にあるのは、

立派に成長してくれたあの子が、

私にくれた時間でもあるのだと思うのです。

 

私は、あと幾つくらい、

あの子の中に、お守りを詰め込んであげることが出来るでしょうか。

 

あの子が私の元から巣立つ日そのまで、

ちゃんとあなたと私の2人分のお守りを、

あの子の中に詰め込んでおくからね。

 

どんなに遠く離れていても、

ずっとずっと、あの子の側に、

この想いたちが寄り添い続けてくれますように、

いつでも、勇気を持って前に歩むことが出来ますようにって、

そんな願いを込めて。

 

 

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