拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

初めての大きな挫折

あなたへ

 

どこから話そうかと、書いては消してを繰り返し、

なかなか報告することが出来ずにいましたが、

あの出来事を、今日はあなたへ報告しようと思います。

 

ダメだった

 

落胆したあの子の声を聞いたのは、先月のことでした。

 

専門学生になってから、

大きな資格試験に向けて学んできたあの子ですが、

先月の合格発表で、不合格であったことが分かりました。

 

あの日のあの子は大きく落胆し、

これまでの時間が無駄にも感じると、こんな言葉を呟いていましたが、

そんなことはありません。

 

専門学生になってからのあの子は、

様々な資格試験に取り組み、たくさんの資格を取得してきました。

それらはきっと、これからのあの子にとっての、

大きな財産となってくれることでしょう。

 

今回の資格試験については、

長期間に渡り、懸命に取り組んできたあの子の姿を見守ってきた私にとっても、

残念で仕方がありませんでしたが、

あの子と一緒に落胆しながら、やがて私の中に見つけたのは、

返って良かったのかも知れないという感情でした。

 

6年生になったら、応援団長になりたい

 

あなたは、あの子のこんな声を覚えていますか。

小学生になって初めての運動会で、

応援団長になりたいと、こんな大きな夢を持ったあの子は、

6年生になると、その夢を叶えて、立派な姿を見せてくれました。

あれは、あの子が生まれて初めて、大きな夢を叶えた日でしたね。

 

中学生になり、

あなたを見送ってからのあの子も、様々にその夢や目標を叶え続けてきました。

 

時々には、目標を達成出来ないこともあったけれど、

それは、あの子にとって、

本当は、どちらでも良かったものであったりもしました。

 

自分にとって、どうしても叶えたい夢や目標だけは、

必ず叶えてきたあの子にとって、

今回の不合格という結果は、初めての大きな挫折でした。

 

だから、返って良かったのかも知れないと、私は感じたのです。

 

だって、あの子が生まれて初めての大きな挫折感を味わっているそのすぐ側に、

私が寄り添うことが出来たもの。

 

初めての大きな挫折感を味わうあの子が、

ひとりぼっちじゃなくて良かった。

ひとりぼっちは、きっと、もっと辛いもの。

 

あの子の側に寄り添いながら、

私は、こんなふうに考えていました。

 

もしも、今回の資格試験が合格であったのなら、

私はあの子と共に、最大の喜びを感じていたのでしょう。

 

その時の私はきっと、流石はあの子だと、

あなたの分と2人分の褒め言葉を、お守りとして、

あの子の中に、詰め込むことが出来たのでしょう。

 

でも、思っていた結果とは別な結果と向き合いながら、

私たちは、

これまでに経験したことのない大切な時間を過ごすことが出来たのだと思います。

 

今回のこの出来事では、

あの子の中に、これまで贈る機会のなかった別な種類のお守りを、

詰め込む機会となったようにも感じているのです。

 

初めての種類のお守りも、あなたの分と2人分。

落ち込んで、座り込んだあの子の中に、しっかりと詰め込みました。

 

あれから暫くのあの子は、

たくさん落ち込んだけれど、

悔しそうに俯いていたあの子は、

ちゃんと立ち直って、またしっかりと前を向きました。

 

初めての挫折感を味わい尽くしたあの子は、

自分で立ち上がる術を身に付けて、

これまでよりも、もっともっと、強くなったのよ。

 

だからね、あの子は、もう大丈夫。

 

 

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