あなたへ
先日、散歩へ出た日のことでした。
近所の公園を散歩した後、急に思い立って、
遠回りをした帰り道、まだ小さな男の子を見かけました。
恐らくは、3歳くらいの子でしょうか。
私の姿を見つけてくれたその子は、元気に挨拶をしてくれました。
こんにちはって。
ねぇ、あなた。
あの子にも、あんな頃がありましたね。
挨拶を返しながら思い出していたのは、
あの子がまだ幼かった頃のことでした。
人が大好きな子に育ってくれたあの子も、
幼かった頃は、
あんなふうに見知らぬ方へも元気に挨拶をしていましたっけ。
知らない人とは話してはいけない
様々な観点から、こんな世の中になりましたが、
やはり挨拶は良いものですね。
いつもよりも少しだけ遠回りをして帰ろうと思い立ったあの日は、
なんだか、胸がポッと温かくなるような素敵な瞬間に出会うことが出来ました。
無邪気に挨拶をしてくれたあの男の子のように、
あの頃のあの子もまた、
誰かをこんな気持ちにさせることが出来ていたのかも知れませんね。
あの日の私は、
ほんの思いつきで遠回りの道を選んだつもりでしたが、
そこに待っていてくれたのは、
想像もしていなかった素敵な景色でした。
遠回りには、
様々に素敵なものが隠れて待っていてくれるものなのかも知れませんね。
それはなんだか、
人生とよく似ているとも言えるのかも知れません。