拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

21歳

あなたへ

 

この世界に誕生したあの子が、

初めて聞かせてくれた声を覚えていますか。

 

初めて見たこの世界の明るさに、

眩しそうに瞬きをしたあの子の姿を、覚えていますか。

 

初めてその腕に抱いた、

小さなあの子の温もりを覚えていますか。

 

笑うことを覚えたあの子。

あなたの足元に纏わりつくあの子。

幼稚園生だったあの子。

ランドセルを背負ったあの子。

 

家族3人でお祝いした、

12回分のあの子の今日を覚えていますか。

 

今日の私は、この世界に誕生したあの子が迎えた今日を、

順番に思い出していました。

 

1回目の今日。

3回目、5回目、10回目。そして、12回目。

そのどれもに家族3人の笑い声が聞こえました。

 

あの夏を過ぎ、初めて迎えたのは、13回目。

 

あなたの分と2人分。

心を込めてお祝いをした13回目の今日にいたあの子も、

最高の笑顔を見せてくれました。

 

14回目、15回目…20回目と、

あなたの分と2人分の心を込めてお祝いをした今日は、

私の中に蓄積され、 

その数だけ、あの子の笑顔を集めることが出来ました。

 

この子には、いつも笑っていてほしい。

 

あの頃のあなたの願いは、この世界に叶えられ続けて、

あの子は、あのまま真っ直ぐに、よく笑う良い子に育ってくれました。

 

21回目の今日を迎えたあの子も、変わらずに、よく笑う良い子。

今日、此処に、

21回分の今日を迎えたあの子の笑顔が集まりました。

 

あんなに小さかったあの子は、

自分の道を真っ直ぐに突き進む強さを兼ね備えて、

随分と逞しく育ってくれましたね。

 

ねぇ、あなた。

私たちの大切なあの子は、

今日、21歳になりましたよ。

 

立派に成長したあの子の今日の笑い声は、

あなたのところまで届いたでしょうか。

 

丁度、21年前の今日、

私たちに、小さな温もりをくれたあの子は、

こんなに大きくなりましたよ。

 

 

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