春の風を 覚えていますか
春の色を 覚えていますか
春の匂いを 覚えていますか
その髪を揺らす爽やかな空気を
その瞳に映る鮮やかさを
鼻を擽る甘い香りを
覚えていますか
いくつかの春を知り
それまで知らなかった世界を知ったあの子の
無邪気な笑顔を覚えていますか
甘えるあの子を膝に乗せて
1日の出来事に耳を傾けるあなたの姿
あの子の頭を撫でながら
愛おしそうに笑顔を向けたあなたの姿も
その声も
私は今でもよく覚えています
いつの間にか
出来ることが増えて
いつの間にか
使う言葉が増えて
人との関わりが増えたあの子の
目紛しい成長を
あなたと2人
見守ることが出来た時間は
掛け替えのない大切な宝物
何気ない日常の中
あの頃の私は
幾つくらいの宝物を集めただろう
あなたの隣で
あの子の成長を見守っていたあの頃の私は
あなたに何を伝えることが出来たでしょうか