拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

早速の失敗

あなたへ

 

新しい物事の大抵は、あの子に教えて貰っていた私ですが、

私ひとりでも、きっと大丈夫だと挑戦したのは、

携帯電話をかざすだけで手続きが完了出来る類の機械でした。

 

ちょっとだけ、ドキドキしながら説明書きを読んでみれば、

小窓に携帯電話の画面をかざしてくださいとありました。

 

小窓へ携帯電話の画面をかざせば、

音が鳴り、手続きが完了できるシステムのようです。

 

非常に簡単な操作ではありませんか。

 

早速、小窓であろう場所へと携帯電話をかざしてみましたが、

何故でしょうか。

全く反応しないのです。

 

え?なんで?なんでなの?

 

声にこそ出さなかったものの、

何十回携帯電話をかざしても、全くの無反応な機械を見つめる私は、

物凄く不安そうに見えたのかも知れません。

 

大丈夫ですか?

 

こんなふうに声を掛けてくださったのは、

恐らく、遠くから私の様子を見ていたのであろう係員の方でした。

 

機械が反応しない旨を伝えると、

声を掛けてくださった方が私に変わって、先程の私と同じように、

小窓らしき場所へと一生懸命に携帯電話をかざしてくれましたが、

機械は一向に反応しないまま。

 

おかしいですね

 

こう言って、機械の立ち上げ直しまでをしてくれましたが、

それでも状況は変わりませんでした。

 

係員の方と2人、悪戦苦闘していると、

やがて、別な係員の方が声を掛けてくださいました。

 

そこではなく、こちらに携帯電話をかざしてくださいね と。

 

なんと、説明書きにある小窓と呼ばれるものは、

機械から少しだけ離れた場所に設置されていたのです。

 

それなのに、私は、全く別な場所を小窓と呼ばれる場所だと思い込み、

一生懸命に、携帯電話をかざしていたのです。

それも、携帯電話を近づけてみたり、離してみたり、

ほんの少しだけ角度を変えてみたりと、

私は、全く別の場所へ思いつく限りの方法を試していたのです。

 

どうやら初めに声を掛けてくださったのは、

担当外の方であった様子。

 

それにも関わらず、

ひとりで不安だった私に声を掛けてくださった係員の方と、

機械の操作を教えてくださった係員の方に感謝をしながら、

無事に手続きを終えることが出来ましたが、

アレはちょっと、いえ、

本当は、かなり恥ずかしかった失敗でした。

 

あれからの私は、恥ずかし過ぎて、

あの失敗をしてしまった場所へは行くことが出来ずに、

家から少し離れた同じ系列のところへ足を運んでいます。

 

その場所では、

この機械には慣れてますので風な顔をして、

スマートに携帯電話をかざして手続きをしていますが、

機械の小窓へ携帯電話をかざす度に思い出すのは、

あの、恥ずかしかった出来事。

 

私が1人になったら、時代の流れについて行けるのだろうかと、

いつかの私は、あなたへのこんな手紙を書きましたが、

まさかこんなに早くに、恥ずかしい失敗をしてしまうだなんてね。

 

なんだか笑ってしまいますが、

失敗しながらひとつ学び、

なんとか、今のところは時代の流れに乗って生きることが出来ています。

 

 

 

www.emiblog8.com