拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ゴールデンウィークのサプライズ

あなたへ

 

ねぇ、あなた。

びっくりニュースです。

昨夜、突然にあの子が帰って来てくれました。

 

ただいま

 

手を合わせて、あなたに声を掛けたあの子の声は、

あなたのところまで届いたでしょうか。

 

あの子が勤める会社は、カレンダーに沿ったお休みではなく、

どちらかと言えば、お休みの日数が少なめの会社ですが、

お休みを晒し、在宅ワークの日を組み合わせて、帰って来てくれたようです。

 

巣立った我が子が、

初めてのゴールデンウィークに帰省してくるというイメージはありましたが、

我が家には、関係のないことなのだと思っていました。

だってあの子には、連休はない筈だったもの。

 

少しくらい、寂しい気持ちを感じたとしても、

毎日が楽しくて仕方がないと、こんなあの子の元気な声が聞けることが、

なによりの私の幸せ。

あの子が幸せにしていてくれれば、それで良いって思っていました。

 

それなのにまさか、

仕事道具を持って、帰って来てくれるだなんてね。

 

今年のゴールデンウィークが、

こんなに嬉しい連休になるだなんて、思ってもいませんでした。

 

今回の帰省は、あの子からのサプライズ。

 

先日の電話では、そんな素振りなど、ひとつも見せてはいなかったけれど、

あの頃のあの子は既に、

このサプライズの計画を立てていたようですよ。

 

昨夜は、少し遅い時間でしたが、

コーヒーを淹れて、あの子と2人でお喋りを。

 

あの子とこうして逢えるのは、1か月以上振りですが、

何故でしょうか。 

久し振りだねって一応は言葉にしてみたものの、

久し振りという言葉は、何故だか不自然な気がして。

 

昨日も、一昨日も、

こうしてあの子と一緒にいたかのような気がしてしまうのです。

 

とても不思議ですが、

これが親子の絆というものなのかも知れません。

 

互いに、なんの違和感も感じずに、

昨日からの続きを話すみたいに、お喋りは続き、

昨夜の私たちも、相変わらずに賑やかな夜を過ごしました。

 

さて、今日のあの子は、朝から在宅ワークでした。

 

あの子と私。

2人が揃えば、いつでもお喋りが尽きませんが、

今日の私は、貝のように口を固く閉じて、

あの子が仕事をする姿を遠目に眺めていました。

 

こんなふうに、

仕事に向き合うあの子の姿を、

この目で見ることが出来るだなんてね。

 

きっと、そんな時間など、

この人生の中に、一生訪れることはないのだろうって、

そんなふうに思っていたけれど、

此処にもまたひとつ、

予想さえしていなかった素敵な景色を集めることが出来ました。

 

此処に見えた景色もまた、

あなたにも見せてあげたかった景色。

 

あの子が立派に仕事をする姿を、

あなたの分まで、しっかりとこの胸へと焼き付けました。

 


あの子は、この連休中はこちらに泊まれるそうですよ。

 

ねぇ、あなた。

とても嬉しいですね。

 

 

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