拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ゴールデンウィーク -2023-

あなたへ

 

楽しかったゴールデンウィークも、今日でおしまいです。

 

突然にあの子が帰って来てくれたのは、4日前の夜のこと。

まだまだたくさん、あの子と一緒に居られるのだと、

そんな気持ちで眠りに就いた筈だったのに、

楽しい時間というのは、本当に瞬く間に過ぎ行くものです。

 

今日のあの子は、

夕方の電車に乗って此方を出発しました。

 

あの子が帰り、なんだかとても、

広くなってしまったように感じるこの部屋の中で、

この連休中に集めた大切な宝物を数えました。

 

一段と逞しくなった筋肉を褒めると、満足そうに笑ったあの子。

 

在宅ワークの日に見せてくれたのは、

真剣な眼差しで仕事へと向き合っていたあの子の姿。

 

私が作った食事が美味しいと、

たくさんのおかわりをしてくれたあの子の笑顔。

 

一緒にコーヒーを飲みながらお喋りをした、

たくさんの時間の中には、

どこから切り取ってみても、笑顔ばかりが溢れてきます。

 

様々な友人に逢いに出掛けたのは、お休みの日のあの子。

 

出たり入ったりと、忙しないあの子だったけれど、

行ってきます 行ってらっしゃい

ただいま おかえりって、

ほんの少し前までは当たり前だった時間も大切に過ごしました。

 

なんだか、この連休中は夢のような時間でした。

 

楽しい時間は瞬く間に過ぎ行き、

あの子も私も、明日からまた、日常生活へと戻ります。

 

ほんの少し前までは、

あの子が此処にいることが、日常生活だったはずなのに、

互いが別々に暮らすことが日常へと変わったんだなって、

胸の奥に小さな痛みを見つけてしまいましたが、

きっといつかは、

こんな気持ちを懐かしく振り返る日もやって来るのでしょう。

 

今ね、息子が帰って来ているから、大変なのよ

もう、忙しくて、忙しくてね

 

これは、かつての職場の先輩の言葉でした。

 

我が子が巣立ってしまえば、

やがては夫婦2人だけの、のんびりとした生活リズムが出来上がり、

かつては身に染みついていたはずの生活リズムに戻るのがとても大変なのだと、

あの時の先輩は、

忙しいと言いながらも、なんだかとても楽しそうに、

こんな話を聞かせてくれたのでした。

 

この連休中の私が見つけたのは、

あの子が此処にいる生活の方が、

私にとっての、いつもの日常生活であるように感じていた気持ちでしたが、

いつかは、あの時の先輩が仰っていた言葉を、

理解出来る日が来るのかも知れません。

 

その頃の私は、

大変なのよって、

こんなあなたへの手紙を綴るのかも知れませんね。

 

夢のような連休が終わりを迎え、

私の中に集まったのは、あの子のたくさんの笑顔。

 

この連休中のあの子との時間が楽し過ぎたから、

私はまた、あの子を想い、泣いてしまうかも知れないけれど、

もしもそんな時間がやって来たとしたのなら、

そこに感じる気持ちも、

今は大切に歩んで行けたらいいなと思っています。

 

行ってきます

 

出発前に手を合わせたあの子へ、

今日のあなたは、どんな言葉を掛けましたか。

 

次は、お盆の頃に帰って来てくれるようですよ。

その時のあの子は、どんな笑顔を見せてくれるのでしょうか。

とても楽しみですね。

 

 

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