拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

密かに引き継がれた今度の約束

あなたへ

 

小さなあの子の歩幅に合わせて、ゆっくりと歩きながら3人で見た景色。

あの子の無邪気な笑い声と、あの子を呼ぶあなたの声。

 

柔らかな薔薇の香りに包まれながら、

昨夜の私の中に、鮮明に蘇ったあの日の記憶をゆっくりと辿りながら、

眠りに就くはずだったのは、昨夜のこと。

 

突然に呼び覚まされたあの日の記憶は、

あの瞬間のあなたの中に蘇った記憶でもあるのかも知れないと、

そんなふうにも感じながら、

昨夜の私は、愛おしくあの日の記憶を辿りました。

 

記憶を辿りながら、穏やかな眠りに就く予定だったはずなのに、

突然に記憶と記憶が結び付き、そこに見つけた奇跡は、

私の目を覚ますには、十分過ぎる材料でした。

 

一度だけ、あなたが連れて行ってくれたあの公園へ、

もう一度、行く機会が訪れたのは、4年前のことでした。

 

きっと気に入ると思うよと、

こんな言葉と共に、あの子が道案内をしてくれて、

やがて辿り着いたのが、あの公園でした。

 

偶然にしては出来過ぎたあの日の出来事を、改めて振り返ってみれば、

いつかのあなたとの今度の約束が、

密かに果たされていたようにも感じました。

 

4年前。

再び、あの公園を散歩した日は、

あなたはもう、この世界にはいなかったけれど、

また来ようねといういつかの今度の約束は、

密かにあの子へと引き継がれて、

静かに叶えられていたと、こんな解釈の仕方も出来るのでしょう。

 

家族3人であの場所を散歩した日のあの子は幼すぎて、

あの子の中に、私と同じ思い出は、残されてはいませんでした。

 

それなのにあの子は、

あの頃のあなたと全く同じ台詞を口にしながら、

私をあの場所へと連れて行ってくれました。

 

今度はもっと早い時間に来たいね

 

いつかのこんな私の願いまでもが叶えられて、

あの日の私たちは、

早い時間から、公園内を存分に楽しむことが出来たのでした。

 

あの頃の私が、目の前に起きた出来事を、

不思議な偶然と捉えただけにしてしまったのは、

蘇ったあなたとの記憶を辿るのに、忙し過ぎたからなのかも知れません。

 

記憶と記憶が結び付き、

漸く、そこに起こされていた奇跡に気が付いたのは、

これで幾つ目だったでしょうか。

 

昨夜の薔薇の香りに包まれていたあの時間、

あなたは、静かに私に語りかけてくれていたのかも知れませんね。

あの公園でした約束を覚えてる?って。

 

あなたとあの子と私。

3人であの公園を散歩した日が、いつであったのか、

私の中の記憶には残ってはいないけれど、

もしかしたら、あれは5月の記憶だったのかも知れませんね。

 

 

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