拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

夢の続きを思い描きながら

あなたへ

 

あなたの夢を見ました。

夢の中の私たちは、2人で旅行へ出掛けるところでした。

 

旅先に到着する前に目が覚めてしまったけれど、

旅先に着いたら何をしようか、

どんな時間を過ごそうかって、

とてもワクワクとした気持ちだったことも、

あなたが隣にいることが当たり前だったあの感覚も、

目が覚めた今でもよく覚えています。

 

もしも、あの夏の運命が違っていたのなら、

あの子が巣立ち、2人きりになった私たちは、

今頃、あんなふうに、

夫婦2人だけの時間を楽しんでいたのかも知れませんね。

 

あの夢の続きの私たちは、あれから、

どんな景色を楽しみ、どんな話をしていたのでしょうか。

 

初めて見る景色の中で、

私は、あなたのどんな笑顔を見ることが出来たのだろう。

 

目が覚めたばかりの私は、

夢の中での時間を反芻しながら、その続きを探しました。

 

夢の中の私たちは、海外旅行へ行く予定でした。

私たちにとって、初めての海外旅行です。

 

知らない文化に触れれば、価値観が大きく変わり、

その後の私たちの人生においても、様々に幅が広がったのかも知れません。

 

新たな価値観と共に、もしかしたら私たちは、

新たな将来の夢を見つけることが出来たのかも知れませんね。

 

2人で力を合わせて子育てをしてきた私たちだからこそ、

成し遂げられるような大きな夢を持つことが出来たのかも知れません。

 

あの夢の続きには、

初めて見る景色の中で、将来の夢を語り合うような、

そんな素敵な時間が待っていてくれたのかも知れませんね。

 

もう少しだけ長く、一緒にいたかったな

 

こんな気持ちと共に思い描いた夢の続きは、

見ることの出来なかった未来さえもを描かせてくれました。

 

夢から目が覚めたこの世界には、

あなたと過ごす未来は、もうやって来ないけれど、

それでも、あの夢の続きを思い描きながら過ごしたこの時間は、

消えてなくなったりはしない。

 

あなたが逢いに来てくれたから、

あの夢の続きを思い描く時間が此処に存在し、

そんな時間もまた、あなたがくれた素敵な時間の一部であると、

そんなふうにも感じています。

 

ねぇ、あなた。

素敵な時間をありがとう。

 

今度は私の目が覚める前に、2人で色々な景色を楽しみたいですね。

きっとまた、逢いに来てくださいね。

 

 

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