拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

私たちらしい時間

あなたへ

 

あの子はどこかしら

 

疎に駅から出て来る人たちを車内から眺めながら、

あの子のただいまの声を、

今か今かと待ち侘びていたのは、昨夜の私です。

 

昨夜0時過ぎに、こちらに到着予定だったあの子を、

いつもの駅まで迎えに行きましたが、

いつまで経っても、あの子の姿が見当たらず、

僅かに心配をした私に届いたのは、あの子からのメッセージでした。

 

ごめん

隣の駅まで迎えに来てって。

 

急いで隣の駅へと迎えに行けば、

すぐに見つかったのは、あの子の笑顔。

 

ただいま

電車の中で寝ちゃっててさ、

降りるはずだった駅で、丁度目が覚めたんだけれど、

降りようと思ったら、ドアが閉まっちゃったんだよね

 

今回のあの子の帰省は、

こんな笑ってしまう出来事から、スタートしました。

 

近況報告や、仕事の話。

最近の面白かった出来事。

そして、互いの将来の目標の話。

 

遅い時間ではありましたが、帰宅してからの私たちは、

コーヒーを飲みながら、どこまでもお喋りは続き、

気が付けば、新しい朝を迎えて。

夜が明けてから、漸く、おやすみの挨拶を交わしました。

 

あの子よりも早くに起きた私ひとりの時間には、

今朝までのあの子との時間を反芻して。

とても良い時間を過ごすことが出来たなって、

もう一度、胸の中へと記憶を刻み直せば、

ゆっくりと休んだあの子が起き出して、

今朝からの続きの時間が流れ始めました。

 

昨夜からの私たちは、なんだか笑ってばかり。

 

このゴールデンウィークも、

私たちらしい時間が此処に流れ始めました。

 

帰宅して、早速あなたに手を合わせたあの子に、

あなたはどんな言葉を掛けましたか。

 

あなたに手を合わせたあの子は、

あなたに何を伝えたでしょうか。

 

ねぇ、あなた。

22歳になったあの子も、

相変わらずに、とても良い顔で笑っています。

 

元気いっぱいのあの子の姿を、

あなたも何処かで見ていてくれているでしょうか。

 

さて。

あの子は先程、旅行へと出掛けて行きました。

帰宅は明後日の予定のようです。

 

あの子の元気なただいまの声も、旅先でのお土産話も、

とても楽しみですね。