拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

知らなかった朝

あなたへ

 

今日の私が思い出していたのは、

桜が咲き始めた頃の、あの、

とんでもなく忙しかった日々を過ごした頃のことでした。

 

あの頃の時間を過ごしていた私が一度だけ経験したのは、

立ったままで、一瞬寝るという現象でした。

 

とても疲れている筈なのに、眠りへの入り口を見つけることが出来ずに、

寝不足のままで出掛けたことが恐らくの原因でした。

 

人というのは、限界を越えた時、

立ったままでも眠ることが出来るようです。

 

あの時の私が眠りに堕ちた時間は、

恐らく、0.数秒程度ではあったと思いますが、

人の体というのは、とても正直に出来ているのでしょう。

あの、一瞬の眠りに堕ちた私はその後、

自分でも驚くほどに体力が回復し、元気に活動することが出来たのでした。

 

自分の限界を知る時というのは、

その後の生活においても、何かしらの変化がもたらされるものなのでしょうか。

 

こうして振り返ってみると、

思えばあの日から、眠りの質が変わったような気がします。

 

あれからの私は、夜になると、

これまでにないほどに、深く眠れているような気がするのです。

故に、朝は、これまでにないくらいに、

スッキリと目覚めることが出来ています。

 

スッキリと目覚める朝というのは、

眠気と戦いながら頑張って起きる朝とは全く違っていて、

目覚めた後の朝の景色までもが、

なんだか違って見えるような気がしています。

 

あの、過酷な日々を過ごさねばならなくなってしまったのは、

自分のミスによるものですが、

こうして、これまで知らなかった朝を知ってみれば、

なんだか、あの、過酷な時間を頑張って乗り越えた私へのご褒美のようにも、

感じてしまいます。

 

あれからの私は、慎重に予定を管理するようになりました。

のんびりとした時間を作ることは、あまり出来てはいませんが、

それでも、あの頃よりは随分と穏やかな日々を過ごせています。

 

 

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