拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

遺骨の埋葬についてあなたに確かめたかったこと

あなたへ

 

いつかお母さんがこの人生を全うしたのなら、

お父さんの遺骨と一緒に埋葬して欲しいな

その時まで、お父さんの遺骨は、家に置いておこうと思うの

 

一度だけ、あの子に遺骨の埋葬に関する話をしたのは、

あなたを見送ってから、どれくらいが経ってからのことだっただろう。

 

あの日の私は、埋葬に関しては、お墓に納骨するやり方もあるけれど、

散骨という方法もあることや、

私個人的には、お墓に拘りはなく、

散骨という方法も、とても良いと思っていることを、あの子に伝えたのでした。

 

あなたを見送ったばかりだった頃の私は、

遺骨は、いずれお墓に納骨するものという概念しか、

持ち合わせてはいませんでしたが、

少しずつ時間を掛けて、

散骨という方法も視野に入れて考えるようになっていきました。

 

お墓を持てば、そこはきっと、

あの子にとっての私たちに逢える場所となるでしょう。

でも、現実的に考えれば、

管理などを含め、大変な側面もあるのだと思うのです。

 

お墓がありながら、もしもなかなか逢いに来ることが出来なければ、

あの子の心の片隅には、引っ掛かるものが出来てしまうのでしょう。

 

管理委託という方法もあるようですが、

例え綺麗に掃除が行き届いたお墓を保てても、

あの子は思うのかも知れません。

なかなか逢いに行けなくてごめんねって。

 

それなら、お墓参りという概念を取り払った散骨の方が、

あの子がいつでもあの子らしく、前に歩んで行けるような気がしました。

 

カレンダーを見つめて、

お墓参りのことを気に掛けてくれるよりも、

俺は今、こんなことを頑張っているよって、

なんの曇りもない気持ちで、

私たちのことを思い出してくれたらいいなって。

 

だって、お墓の有無に関わらず、

私たちは、必ずあの子の側にいる筈だから。

 

遺骨がなくなってしまうことは、寂しいな

俺が決めても良いのなら、俺はやっぱりお墓を持ちたいかな

 

これは、あの日のあの子が話して聞かせてくれたあの子の想いです。

 

私がそうであるように、あの子だってきっと、

年齢と共に、価値観は様々に変わり続けて行くのでしょう。

 

その時が来たのなら、どんなふうに埋葬するのかは、

あの子に任せることを話しながら、

お墓がなくてはならないという概念は持たなくても良いことと、

その時のあの子にとって、一番良いと思う埋葬の仕方を選んで欲しいと伝え、

あの日の私は話を締め括ったのでした。

 

今日の私は、一度だけ、あの子と2人で、

遺骨の埋葬に関する話をした日のことを思い出していました。

 

あれは、あの子が幾つの頃だっただろう。

あの子と過ごした日常の中のほんの一部のあの頃の時間は、

あの子はもう、きっと覚えてはいないのでしょう。

 

あれからのあの子は、少しずつ、少しずつ、成長しながら、

やがて漠然とした将来の夢を具体的なものへと変えて、

此処から巣立って行きました。

 

その機会があるのなら、色々な地で仕事をしてみたいな

もし出来れば、一度くらい、海外でも仕事をしてみたい

 

これは、

社会人になってからのあの子が語るようになった未来の夢です。

 

漠然と思い描いた未来をちゃんと形にして、

たくさんの夢を叶えてきたあの子なら、

これらの夢を叶える時も、やって来るのかも知れません。

 

あの子が幾つの時に、

私がこの世界を去るのかはまだ分からないけれど、

あの子はきっと、幾つになっても、

新たな夢や目標を見つけて、真っ直ぐに歩んで行くのでしょう。

 

こうして思い返してみても、

あの子と過ごした日常生活の中の一部の時間の中で、

散骨を視野に入れた話をすることが出来て、

良かったのかも知れないと感じていますが、それは私個人的な想い。

 

もしもあなたと話をすることが出来るのなら、

本当は、あなたの気持ちも確かめてみたかったことでもありました。

 

あなたは、遺骨の埋葬に関して、どんなふうに考えていますか。

 

今の私なら、あなたの想いを受け取れるのかも知れないと、

ふと、そんな気がして、あなたの顔を見つめてみれば、

良いと思うよって、こんな言葉と共に、

あの子を大切に想うあなたの感情のようなものが流れ込んで来て。

 

いつでもあの子の幸せを一番に願っていたあなたらしいあの温かな感情は、

きっと本物なのでしょう。

 

あの子に遺骨の埋葬についての話をした日の私は、

もしかしたらあなたも、私と同じ想いであるのかも知れないと、

なんとなくそんな気がしていたけれど、

あの時のあなたも、今日と同じように、

私にその想いを伝えていてくれたのかも知れませんね。

 

いつの日か、あの子にとって必要となれば、

あの日の私の言葉は、あの子の心の中の引き出しから飛び出して、

きっとあの子の手助けをしてくれることでしょう。

 

あの子があの子らしく、

真っ直ぐにその人生を歩んで行けるように。

 

 

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