拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

日常生活の中に見つけた視点

あなたへ

 

外出先からの帰り道。

思い立って寄り道をしようと考えた私は、

自信を持って右折専用車線へと並んだはずなのに、

信号をひとつ間違えてしまったことに気が付きました。

 

元の車線に戻ることも出来ないままに、仕方なく右折をしてみれば、

次の瞬間に思わず漏れ出たのは、

え?この道に出るの?って、こんな小さな独り言。

なんと私が間違えて曲がった道は、

私が本来通りたかった道へのショートカットとなる道だったのです。

 

あぁ、やってしまったなという気持ちから一変し、

なんだかとても嬉しくなって、

私の運転も軽やかなものへと変わった出来事でした。

 

真っ直ぐに進みたかったのに、

間違えて左折専用車線へ入ってしまったり、

今回のように、信号をひとつ間違えて曲がってしまったり。

 

運転があまり得意ではないせいなのか、

慣れない道では時々こうして、道を間違えてしまうけれど、

そんな時というのは、

実は、思いもしなかった景色に出会うことが出来る時でもあるような気がしています。

 

真っ直ぐに進みたかったのに、

間違えて、左折専用車線へと並んでしまったのは、

いつの頃のことだっただろう。

 

あの時の私は、大渋滞に巻き込まれながらも、

そこに見えた景色に思わず見惚れて。

 

あの日は、思っていたよりも、帰宅が遅くなってしまったけれど、

あの渋滞に巻き込まれてこそ見ることの出来る、

素敵な景色を見つけることが出来たのでした。

 

一見して道を間違えたように思えても、

実は素敵な景色が待っていてくれたり、目的地への近道であったり。

日常生活の中には、

人生という大きな旅路とよく似たものが隠れているような気がしました。

 

人生の中で歩んだ道に、間違えなど、きっとひとつもないように、

運転が得意ではない私は時々道を間違えてしまうけれど、

実はそれすら、間違いなんかではないのかも知れませんね。

 

日常生活の中、移動時間にも、もどかしさを感じて、

瞬間移動が出来れば良いのにと真剣に考えていたのは、

前のめりに歩む努力をしていた少し前の私ですが、

日々の生活の中、やらなければならないことや、

一見して、無駄とも思える時間の中にも、様々に、見える視点があるのだと、

改めて気付くことが出来たように思います。

 

もっと早く歩んでみたいと、

懸命に前へと進もうとしたあの時間があったからこそ、

私はまた改めて、今の視点を持つことが出来たのかも知れませんね。

 

 

 

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