あなたへ
今朝の私の中に突然に蘇ったのは、子供の頃の記憶でした。
これは、私がまだ小学生だった頃の記憶です。
小学生だった私は、お習字の習い事をしていました。
先生は、おばあちゃん先生。
お習字の時間は厳しいけれど、本当は優しい先生で、
お習字の時間が終わると、
いつもニコニコと笑っていたのが、今でもとても印象に残っています。
今朝の私の中に突然に蘇ったのは、そんな先生の言葉でした。
あれは、お習字の時間が終わり、帰る準備を始めた頃のこと。
お習字を習っていた皆との間で話題になっていたのは、
チョコレートについてでした。
チョコレートの原料は何であるか、
というような話をしていた私たちの耳に届いたのは、先生の声でした。
みんなはチョコレートの作り方、知ってる?
先生は知っているよ
板チョコ3枚とね
と、先生が知っているチョコレートの作り方についてを説明してくれたのですが、
カカオ豆からチョコレートが出来るまでの工程の話を期待していた私は、
板チョコ3枚って・・・
それ、もう既にチョコレートですよね?
もう出来上がってますよね?
という感想を持ってしまい、その後に続いた先生の話が、
全く頭に入ってこなくなってしまったのでした。
寝起きから10分。
不意に蘇ったあの頃の先生の話が、どうにも可笑しくて、
今朝の私は、あの頃と全く同じ感想を持ちながらも、
笑いを堪えることが出来ずに、ひとりで笑ってしまったのでした。
今朝は寝不足で、重い頭を無理矢理に起こしたはずなのに、
何故だか突然に蘇ったあの頃の先生の声のお陰で、
眠気が一気に吹き飛び、
いつの間にか、楽しい気持ちにすり替わっていました。
こんなふうに始まった私の今日も、とても素敵な1日でした。
すっかりと目が覚めた頭で、
改めて、あの頃の先生の言葉を思い返せば、
あの日の先生はきっと、
例えば、バレンタインデーなんかに贈る、
手作りチョコレートの類の作り方を教えてくれていたのでしょう。
恐らくあの時の先生には、私たちの話の流れまでもは聞こえておらず、
チグハグな話の流れとなってしまったのだと思います。
私の中へと突然に蘇ったのは、何気なく過ごした子供時代の一コマですが、
あの日の先生の声は、
あれからずっと先の未来の私の朝の景色を、変えてくれる声となりました。
まさか、あの時の先生の声が、
こんなふうに私の朝を変えてくれるだなんてね。
人生って、やはり不思議で、なんだか面白いものですね。