拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

雑談の中で見つけた自分の成長とあの頃の意味

あなたへ

 

うちは主人が亡くなっているの

大丈夫

気にしないで

主人が亡くなってから大分経っているから

 

これは、先日の私が口にした雑談の中での言葉です。

 

私についてを殆ど何も知らない方との雑談の中には、

時に、あなたのことを話さなければならない状況が訪れることがあります。

 

そんな時に、一瞬、嘘をつくという選択肢が頭を過ってしまうのは、

その後の空気感が安易に想像出来てしまうから。

本当のことを話さないという選択をするのも、

相手への配慮のひとつであるのかも知れないと、そんなことを考えながらも、

ほんの一瞬迷った後に、結局、

本当のことを話すという選択をしてしまうのは、

ひとつの嘘は、多くの嘘を生むことになってしまうからです。

 

何故だか最近、私には、

あなたのことについてを話さなければならない場面が、多く訪れるような気がします。

 

その都度、私は、表情を変えることなく淡々と、思ってもいない言葉を口にしながら、

別な楽しい話題を提供するようにしていますが、

先日の私は、楽しい話題に笑いながら、

長く勤めたあの会社での時間の意味が、漸く理解出来たような気がしました。

 

退職へと踏み切るまでの数年間は、

私にとって、本当に辛い時間ともなりましたが、

私は、変わらない環境の中で、

実は守られていたのかも知れないと、漸く気が付くことが出来たのです。

 

だって、あなたを亡くしたことを知る人たちに囲まれたあの環境の中では、

あなたのことを口にする機会など、ありませんでしたから。

 

仲間たちが、ひとり、またひとりと居なくなってしまう中で、

何故、私だけが、

此処に残っているのだろうかと考えたこともありましたが、

私にとって一番辛い場面に出くわすことがないようにと、

本当は守られていたのだと思いました。

 

例えば、様々な手続きの中で、

あなたのことを話さなければならない状況が訪れることはありましたが、

それでも、私が置かれている環境に変化がなかったことで、

あなたのことを口にした時のあの、胸の奥がギュッと締め付けられて、

涙が溢れそうになる痛みと向き合う回数が、

実は最小限に抑えられた状態で、歩むことが出ていたと言えるのでしょう。

 

口に出して話してごらんとでも言われているかのように、

ここ最近の私には、

あなたのことについてを話す機会が多く訪れるようになりました。

 

実は、あなたのことを淡々と話せるようになっていたことに、

とても驚いていますが、

これもまた、この人生を選び生まれて来た私が、

避けて通ることの出来ないことであり、

こうして淡々と人に話すことが出来るようになることも、

私にとっての必要な成長であったのだと感じています。

だって、この世界には、私のことを知らない人の方が多いもの。

 

あの場所を去ってからの私に見える景色は、様々に変わり行き、

本当にたくさんの人たちとの出会いが訪れました。

 

長きに渡り、同じ場所へと止まっていた私にとって、

出会う人たちは皆、目新しい素敵な色を持っているようにも感じています。

 

私はきっと、この景色の中を楽しみながら歩むことが出来るまで、

実はあの場所で守られながら成長することが出来ていたのかも知れないと、

初めてこんな新たな視点と出会うことが出来ました。

 

あの頃の時間は私にとって、とても辛い時間ではありましたが、

あの頃を過去の時間として振り返ってみれば、

やはり人生とは、とてもよく出来ていて、

私たちは常に守られながら、

壮大なストーリーの中を歩んでいると言えるのでしょう。

 

 

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