拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたを想う日 -2024-

あなたへ

 

あなたのその温かな手を離したあの日から、今日で10年を迎えました。

 

あなたは今、どんな景色を見て、どんなふうに笑っていますか。

その手の中には、私たちの温もりが、

今でもちゃんと残っているでしょうか。

 

今日は、あなたを想う日。

 

今日の私は、10年前のあなたが最後にくれた、その手の温もりを、

そして、

最期に見せてくれたあの、穏やかなあなたの顔を思い出していました。

 

あれからのこの10年間を振り返ってみれば、今日の私の中には、

言葉にならないままのたくさんの想いが溢れ出しました。

 

10年が経つんだね

 

漸く一言だけを小さく呟いて、あなたの顔を見つめてみれば、

突然に私の中へと流れ込んで来たのは、

幸せな人生を歩んで欲しいと、こんな言葉と、

私たちを大切に想ってくれているあなたからの、

言葉にならないままのたくさんの想いでした。

 

私の胸の中をいっぱいに満たしてくれたその想いをただ感じてみれば、

やがてグッと堪えた隙間から零れ落ちた一粒の涙が、

私に降伏を迫ったのです。

 

もう泣かないって決めた筈なのに。

この瞳には、いつでも鮮明な景色だけを映していようと決めた筈なのに。

 

ごめん

今日は無理

だって、あなたが悪いのよ

こんな日に、そんなことを言うからよ

 

あなたのせいにして、盛大に泣いてしまったけれど、

拭っても、拭っても、溢れ続ける涙に歪んだあなたは、

とても優しい顔をしていました。

 

この10年間の私たちが、

あなたを想いながらこの世界での人生を歩み続けて来たように、

あなたはきっと、ずっと私たちの幸せだけを願って、

そっと寄り添い続けてくれていたんだね。

 

あなたと一緒に、幸せな人生を歩みたかったな

 

涙声のまま漏れ出た本音を、あなたはやっぱり、

優しい顔のままで受け止めてくれて。

 

今日の私は、たくさん泣いてしまったけれど、

盛大に涙を流したら、

しっかりと涙を拭って、もう一度、あなたの顔を見つめてみました。

 

あの子も私も、幸せな人生を送るから。

きっとそこから見ていてね。

 

 

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