拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あの子のお盆休み終わりの日

あなたへ

 

俺、今度のお盆休みは、絶対に長く取りたいんだ

 

これは、夏を迎える前のあの子の言葉でしたが、

その言葉の通り、今回のあの子のお盆休みは、

長い期間で、取得することが出来たようです。

 

仕事が忙し過ぎて、自然と溜まった代休と、有給を組み合わせて、

今回のお盆休みは長く取ることが出来たのだと、

こんな話を聞かせてくれたのは、帰宅早々の頃のあの子でした。

 

いってらっしゃい

行ってきます

 

早速、我が家の中に流れ始めた私たちのかつての日常生活は、やがて、

専属運転手だった日々までもを思い出させてくれる幾つもの瞬間までもが訪れました。

 

今日はジムまで乗せて行って欲しいんだけどいい?

1時間後に迎えに来てね

 

明日は駅で友達と待ち合わせをしているから、送ってくれる?

 

そうだ!俺、本屋さんに行きたいんだけれど、乗せて行ってくれる?

 

それらひとつひとつの時間を大切に過ごしながら、

かつての私もまた、目の前に流れるこんな時間を、

大切に楽しんでいたことを鮮明に思い出していました。

 

慌ただしい時間から一変し、

家でのんびりと過ごすあの子の姿もありましたよ。

 

長く休みを取ることが出来たからこそ、遊びと休息を上手に組み合わせて、

あの子はとてもゆっくりと過ごすことが出来たようです。

 

友達との楽しかった時間や、

ふと思い出したあの子の日常生活での出来事。

そして、将来の夢や目標について。

あの子と私。2人が揃えば相変わらずに、お喋りばかり。

 

とても賑やかなあの子のお盆休みとなりましたが、

私たちの笑い声を、あなたは何処かで聞いていたでしょうか。

 

時々には、残りのお盆休みの日数を数えながら、

帰りたくなくなってくると、こんなあの子の声も聞こえて来ましたが、

ずっと此処に居ればいいよと返せば、

やっぱり帰るよって、こんなあの子の声には何度くらい笑っただろう。

 

あの子が生まれ育ったこの場所には、

あの子にとっての大切なものが、たくさん詰まっています。

もし出来れば、それらに囲まれたこの地に留まっていたいと、

こんな気持ちを抱えながらも、

今の自分が居るべき場所は此処ではないのだと笑ったあの子は、

相変わらずに、とても良い顔をしていました。

 

あの子の長いお盆休み中には、

本当にたくさんの思い出が詰まりました。

 

楽しい時間というのは、

何故こうもあっという間に過ぎてしまうものなのでしょうか。

先程、あの子を駅まで送って行きました。

 

出発前、長い間、

あなたに手を合わせたあの子とは、どんな話をしましたか。

 

私たちにとっての非日常が終わり、明日からまた、

互いの場所で、互いの道を歩む時間へと戻ります。

 

次にあの子に会える時には、どんな笑顔を見ることが出来るのでしょうか。

その日を楽しみに、

私もまた此処からしっかりと自分の道を歩もうと思います。

 

 

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