あなたへ
え?眠ってた?
もう、こんな時間だ!
いつの間にかしてしまっていたお昼寝から漸く目が覚めて、
時計を見て驚いてしまったのは、今日の私です。
不思議な流れから今の環境と出会った私は、
これまでには経験したことのないような、
とても早い時間の流れの中を歩んでいますが、
いつの間にか、相当な疲れが溜まっていたのかも知れません。
お昼寝だなんて、いつ振りだっただろうかと、
過ぎてしまった時間に僅かな後悔の気持ちを抱きながらも、
つい先程まで見ていた夢の中を反芻していました。
お昼寝中の私が見ていたのは、あなたの夢でした。
直ぐ隣にあなたがいて、ただただ穏やかな時間が流れた夢の中。
私は、これからもずっと、こうしてあなたの側に居られるのだと、
とても穏やかな気持ちであった筈なのに、
突然に別な感情が湧き上がったのです。
違う、こうじゃない、と。
今の私が歩むべき道は、此処にはなくて、
今の私がやりたいこともまた、此処にはないのだと、
こんな気持ちを感じた瞬間に、目が覚めたのです。
目が覚めて、夢の中を反芻しながら、
ただあなたの側にいたかっただけの私だった筈なのに、
私は、あの夏から少しずつ歩みを進めながら、
ちゃんとこの人生を生きたいと思える私へと変わったんだなって、
そんな気持ちを再確認してみれば、
なんだか泣き出したい気持ちを見つけてしまったけれど、
それでも、
この人生の先へと歩んだ私の瞳にはどんな景色が広がるのだろうかと、
今の私がまだ知らない景色を楽しみに思ってしまうのです。
今日は、私が乗り込んだ特急電車が、
何処かの駅に途中停車をした日だったのかも知れません。
途中下車をして、自分の気持ちを再確認して、
そうして自らが、また特急電車へと乗り込んで。
私にとっての今日は、そんな日であったようにも感じています。
また私は此処から、真っ直ぐにこの人生を歩んで行くけれど、
きっと夢の中と同じように、
あなたはいつでも、すぐ側にいてくれているのだと信じているよ。