あなたへ
今の私が少しずつ学び始めているのは、
お盆休み中のあの子から教わった学問です。
どんな自分になりたいのか
この人生をどう歩みたいのか
どんな景色を見てみたいのか
あなたを見送ってからの私は、この人生に対して、
様々な夢や目標を見つけられるようになりました。
目標へ向かって歩むために、必要だと感じたことについてを学びながら、
自分なりに、様々な知識を得て来たつもりですが、
実は、今ひとつ足りない何かを感じていました。
それなのに、どんな分野を学べば良いのかが分からずに、
これまで学んだことを復習してみたり、得て来た知識とは真逆を探ってみたりと、
足りない何かを模索し続けて来ました。
そんな私の目の前に、
これだと思える分野の学問を運んできてくれたのはあの子でした。
今年のお盆休みのあの子は、此処から巣立ってから、
一番長くお休みを取ることが出来ました。
出たり入ったりと相変わらずに忙しない時間の中にも、
ゆっくりとする時間を作って、あの子が始めたのは読書でした。
未来へ向けて、何を学ぶべきなのか。
仕事だけでは得ることの出来ないものを模索しながら、
あの子が見つけた分野の学問と、
私に足りない何かとが、ピタリと合致したのです。
早速、あの子が買った本と同じ本を買ったのは、
あの子のお盆休み最終日のことでしたが、
なにぶん、今の私には時間が足りていません。
これまでには経験したことのないような、とても早い流れの中を歩む私ですが、
瞬く間に過ぎ行く時間の中に、
本来の私がやるべきことや、やりたいことをする時間を、
なかなか見つけることが出来ずにいる側面には、実は課題を感じてもいます。
今日の私は、あの子のお盆休み最終日に交わした約束を、
改めて思い出していました。
今度の帰省の時には、お互いに学んだことを話し合おうね。
あの日の私たちは、こんな約束をしたのでした。
いつの頃からか、あの子から教わることばかりになってしまった私ですが、
次にあの子に会う時には、
私にも何か教えてあげられることがあるのかも知れないと意気込んだ筈だったのに、
今の私に流れる時間のスピードに着いていくだけで精一杯な私は、
時々、時間に引き摺られるように歩んでいることもまた事実。
このままのペースでは、
またあの子から教わってばかりの私のままで、
あの子の次の帰省を迎えてしまうのでしょう。
あの子との約束を何度も反芻しながら、自分に問うてみます。
どんな自分になりたいのか と。
考えずとも、自ずと出てきた答えは明白で、それは、
どう生きたいのか、へ通ずる道でもあるのだと思いました。
私は、これまでには経験したことのないこの時間の流れの中で、
これまで通りではない自分を見つけなければならないのでしょう。
もう、時間に引き摺られてなんていられませんね。