拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ご褒美みたいな空

あなたへ

 

わぁ、凄く綺麗!

 

思わずこんな小さな声が漏れ出てしまう空を見つけたのは、

秋の深まりを感じるようになった頃からのことでした。

 

とても広いキャンバスに描かれる、夕方と夜の間のグラデーションが美し過ぎて、

車のエンジンを掛けるのも忘れて、思わず見惚れてしまう。

 

こんな素敵な空を見つけることが出来たのは、

今の私がご縁をいただく場所の駐車場です。

 

そこは、視界を遮るものがなく、空がよく見える場所。

 

帰宅時間にはまだ青い空が見えた夏が過ぎ、季節が巡れば、

その場所は、私に新たな空の美しさを見せてくれたのです。

 

暮れ行く夕日と、

夜の始まりが見事に描かれたグラデーションの終わりに見えるのは、

幾つかの星たち。

 

大きなキャンバスに描かれるそれは、なんだか、

ご褒美みたいな景色であるようにも感じました。

 

夏の夕方に見えた青い空と飛行機雲もとても素敵だったけれど、

あの場所から見える秋のグラデーションは、もっと素敵。

 

家から見えるそれとも、

いつもの公園から見えるそれとも違う、

初めて見つけた空の色はきっと、

あの場所からしか見ることのできない空の色なのでしょう。

 

知らなかった場所とのご縁が結ばれれば、

いつでも見つかるのは、思いもよらなかった素敵な景色。

 

とても早い流れの中を歩みながらも、

ちゃんとこの胸の中には、素敵な景色たちが集まって。

あなたにも見せてあげたい素敵な景色を、

大切に胸の中へと収めることが出来ました。

 

きっと、次の季節へと巡る頃には、

今度は別な素敵な空の色を見つけることが出来るのでしょう。

 

その頃の私は、どんな私になって、

どんな気持ちで、その空を見つめることが出来るのでしょうか。

 

相変わらずに寒さは苦手だけれど、

今はまだ知らない空の色を集める日を思い描いてみれば、

なんだかとても楽しみです。