あなたへ
もしも此処にあなたがいてくれたのなら、
どんな景色が見えたのだろう。
あの夏からの私は、何度こんなふうに、
見ることの出来なかった景色を思い描いてきただろう。
今日の私は、此処から巣立ってからの、
あの子との幾つもの電話でのやり取りや、
帰省中に見せてくれたあの子の笑顔を思い出していました。
もしも此処にあなたがいてくれたのなら、
どんなふうに話が広がったのかな。
2人の声に耳を傾けた私は、何を感じるのだろう。
時にはそんなふうに、見ることの出来なかった今を思い描きながら、
此処に流れるあの子との時間を、大切にこの胸の中へと集めてきました。
つくる、が仕事だったあなたと、
そんなあなたに憧れて、つくる、を仕事にしたあの子。
もしもあの夏の運命が違っていたのなら、
つくる、という同じ世界にいる2人は、やがて、
将来2人で作り上げるものを夢見たのかも知れませんね。
そこにはどんな世界観が思い描かれて行ったのだろう。
あなたとあの子がつくる人であるように、
私もまた、つくる人。
私のつくる、は、2人とは少しジャンルが違うけれど、
そこにいる私はきっと、
2人が思い描く世界観に創作意欲を掻き立てられて、
今の私には浮かぶことのないアイディアが、次々と浮かんでいったのでしょう。
もしも、あなたとあの子の将来の夢が、
2人でひとつの何かを作り上げることであるとするのなら、
私の将来の夢はきっと、
2人が作った形に彩りを添えること、だったのでしょう。
そんなふうに、家族3人のつくる、も、
経験してみたかったですね。
あの子の成長を感じる度に、
新しい景色を知る度に、
何度でも、思い描くあの夏の続きの世界は、
またひとつ、私の中で広がって。
もしも、あの夏の運命が違っていたのならと、
何度でも、何度でも、思い描いてしまうけれど、
こんな気持ちや時間も大切にしながら、
私は、いつかのあの子との思い描いた将来の目標へ向かって、
しっかりと歩んで行くよ。
そう。それはきっと、
あなたを想いながら歩んだ私たちだからこそ出来る、つくる、だから。
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