あなたへ
キラキラ!あしょこ!
帰宅途中の信号の待ち時間。
何気なく夜の景色を見回した私の中へと不意に蘇ったのは、
幼かった頃のあの子の声でした。
キラキラ!あしょこ!って。
この声は、初めて家族3人で、
クリスマスのイルミネーションを観に出掛けた日のあの子の声です。
小さな指を差して、覚えたてのキラキラを教えてくれたあの子の姿は、
本当に可愛かったですね。
今日は、クリスマスのキラキラを観に行くよ
嬉しいね
小さなあの子に声を掛けながら、
街に飾ってある煌びやかなクリスマスツリーを指差して、
あれがキラキラだよ
今からキラキラがたくさん飾ってあるところに行くんだよって、
あの日の私は、
イルミネーションがどんなものであるのかを教えたつもりだったけれど、
幼かったあの子の解釈は、違っていて。
道中に見つけた街灯も、店の看板を明るく照らす電球も、
あの子にとっては、全部がキラキラ。
あの日のあの子は、
目的地へと到着するまでの間ずっと、
光るものを見つけては、キラキラがあることを教え続けてくれましたっけ。
あの子が指差すもの全てに目を向けてみれば、
本当にたくさんのキラキラしたもので溢れているんだなって、
あの日の私は、初めてこんな視点から、
私たちが住むこの場所を眺めたりもしたのでした。
街中を彩るたくさんのキラキラを見つけながら、
やがて、目的地へと到着すれば、
大きなクリスマスツリーやサンタクロース、
トナカイのイルミネーションを見つけて。
キラキラと輝く世界を見つめたあの子は、楽しそうに笑って、
私たちに、たくさんのキラキラがあることを教えてくれましたね。
家族3人で見た初めてのクリスマスイルミネーションは、青の世界。
ねぇ、あなたは覚えていますか。
あの日の私たちがどんなふうに笑って、
あの、青の世界に見惚れたのかを。
今日はクリスマスイブ。
今日のあなたの中には、どんな思い出が蘇りましたか。
今日のあなたの胸の中にも、
素敵な記憶でいっぱいのクリスマスイブでありますように。
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