拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたへお供えしたグミを見つめながら

あなたへ

 

今日からまた、私の日常生活が始まりました。

 

あなた

ただいま

 

帰宅して、あなたへと手を合わせながら、

何気なく、つい先日お供えしたばかりのグミを見つめてみれば、

笑いが込み上げて来てしまったのは、

この帰省中のあの子の声が、不意に蘇ったからでした。

 

最近グミに嵌っているの?

あれ?お母さんって、グミ、好きだったっけ?

 

これは先日、買い物から帰って来た私が、

あなたの場所へグミをお供えした時に聞こえて来たあの子の声でした。

 

テレビを観ていたあの子へのおやつとして、

グミを含んだ幾つかのお菓子を出し、

そして、

あなたの場所へ、買って来たばかりのグミをお供えして。

 

ほんの少し前までは、

我が家の中には見られなかったグミの存在に、

あの子はきっと違和感を覚えたのでしょう。

 

あの、不思議な流れを上手く説明することか出来ないままに、

最近、グミが好きになったからって、

こんなふうに答えれば、あの子は言ったのです。

 

それって、年取ったってこと?

ほら、年を取ると味の好みが変わるって言うからさって。

 

あの日の私は、あの子の言葉に笑ってしまいましたが、

こうして、改めて考えてみれば、何故、今だったのでしょうか。

 

例えば、年齢と共に、

若い頃には好まなかった野菜なんかを好んで食べるようになったと、

こんな話を聞いたことがありますが、

お菓子類にもそのような現象が起こるものなのでしょうか。

 

例えば、あなたは本当はずっと、

グミを頻繁にお供えして欲しかったけれど、

私がグミを受け入れられる年齢になるまで、静かに待っていた、とかね。

 

やがて、私はこの世界で年を重ねて、

あなたにとっての待ち侘びた時がやって来て。

偶然に偶然を重ねた形で、あの出来事が起きたのかしら。

 

自分の中で妄想を繰り広げながら、やがて、

え?そういうこと?

なんて、今日の私は長い間、

あなたの顔を見つめてしまったけれど、

あなたが好きだったお菓子を好きになれたのなら、それでも良いかな。

 

夫婦は少しずつ似てくるって、こんな言葉を聞いたことがありますが、

この世界で歳を重ね続ける私は、年齢と共に、

少しずつ、あの頃のあなたの食の好みへと近付いて行くのかも知れませんね。

 

とは言え、

この年齢であなたが好きだったグミを突然に好むようになったのは、

あの子の言うように、年を取ったから、ではなく、

あなたとの、仲睦まじい年齢差になったからと、

そういうことにしておこうかなと思います。

 

だって、そっちの方がなんだか素敵だもの。

 

 

www.emiblog8.com

 

www.emiblog8.com