拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

何年経っても成長していないところ

あなたへ

 

早い流れの中で出会った皆との雑談から、

突然にすることになったのは、前屈でした。

なんて言ったら、あなたはどんな顔で笑うのだろう。

 

まさか私も、そんな展開になるだなんて、思ってもいなかったけれど、

何故だか皆で並んで、前屈をする、という流れになってしまったのです。

 

ストレッチを頑張っていますと、

あなたへのこんな手紙を書いたのは、いつの頃のことだったでしょか。

 

あの頃の私は、

この人生の中で最も深く前屈を出来るようになった私でしたが、

あれから、日課とするストレッチが変わり、

前屈をしてみようなどとは一度も思わないままに、此処までを歩んで来ました。

 

今回、数年振りに前屈をすることになりましたが、

あのころ手に入れた柔らかボディは、

幻だったのではないかとすら感じてしまう程に、

すっかりと元に戻っていました。

 

なんだか少しガッカリではありますが、

私にとっては、あの頃のストレッチよりも、

今続けているストレッチの方が効果的。

それは、失ったものよりも、

得たものの方が大きかったとも言えるのでしょう。

 

私の体の硬さには、皆に笑われてしまったけれど、

残念な気持ちと共に、私の中へと蘇ったのは、いつかのあなたとのやり取りでした。

 

ねぇ、あなたは覚えていますか。

何故だか2人で前屈をして、笑った夜がありましたね。

 

もしもあの夏の運命が違っていたのなら、

今夜は、2人で前屈をする夜となったのかも知れません。

 

きっと相変わらずに身体が柔らかいあなたの姿を見つめながら、

私はまたあの頃と同じ言葉を掛けて、2人で笑ったのでしょう。

 

互いに成長をし続けながらも、

何処かに成長していないところを見つける場面って、きっとあって、

過去を繰り返すかのような場面を迎えた時というのはきっと、

そこからどれだけの歴史を共に重ねて来たのかを、

不意に振り返る時間にも繋がるのだと思います。

 

あれ?前にもこんな時間があったよね

なんだか成長してないね

 

きっとこんなふうに笑いながらも、

そこからどれだけのものを積み重ねて来たのかを振り返れば、

互いの成長を感じることが出来るのでしょう。

 

何年経っても成長していないところ。

そんな自分たちを見つけることも、きっと楽しかっただろうな。

 

ねぇ、あなた。

もしも、あの夏の運命が違っていたのなら、

私たちは幾つくらいのそんな2人を集めることが出来たのだろう。

 

 

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