拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

新たな成長段階

あなたへ

 

もう二度と観ることのないであろうと思っていた、

医療関連のテレビドラマを観てみようと思ったのは、何故だったのだろう。

 

こうして考えてみても、とても不思議ですが、

偶然、録画されていたテレビドラマを再生してみようと思ったのは、

先日のことでした。

 

もしも、苦しい気持ちになったのなら、途中で止めても良いんだよ

 

こんなふうに逃げ道を準備しながらも、

何故、自分の傷口に、

自らが鋭利な刃物を突き立てるかのような選択をしたのかは分かりませんでしたが、

あの時の私は、

今なら、何か別な視点を見つけることが出来るのかも知れないと、

こんなふうに考えていたのかも知れません。

 

医療に関連する物語というのは、

必ずどこかに命の終わりが描かれているように思います。

それは、病院という場所が、

人の命と大きく関わる場所だからなのでしょう。

 

再生したテレビドラマの中には、

ひとりの人の命の終わりの日が描かれていました。

 

あの夏と重なる音。

あの夏と重なる景色。

 

あの時の私の瞳に映っていたは、

テレビ画面の向こう側にあるものではなく、

あの夏の私が見ていたものだったのかも知れません。

 

胸の奥がギュッと締め付けられて、

あの、なんとも表現し難い痛みを胸の奥に感じ続けながらも、

テレビ画面から目を背けることなく、

私は、何か大切なものを胸の中へと刻み付けるかのように、

この瞳に映った全てを見つめ続けました。

 

人間というのは、時に、矛盾していて、

説明のつかないような行動をとることがあるものなのかも知れません。

 

そんな時というのは、

ある種の大きな成長段階がやって来ている時であると、

きっとこんな解釈をすることも出来るのでしょう。

 

時には、大きな痛みを伴いながらでなければ、

得ることの出来ない成長というものもきっと存在し、

あの夏から10年の月日を歩んだ私は、

漸くそこに向き合う準備が整ったということなのかも知れません。

 

あんなにも避け続けてきた医療に関するテレビドラマを、

何故、突然に再生しようと考えたのか、

明確な理由は今の私には分かりませんが、

私は、また新たな成長段階を迎えたのかも知れませんね。

 

 

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