拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

掃除機をかける夢

あなたへ

 

え?嘘でしょう?

 

目が覚めて、思わず小さなこんな声を上げたのは、

つい先程までの私が見ていたものが、

夢であったと気が付いたからでした。

 

夢の中を反芻しながら、もう一度目を閉じて、

同じ夢に戻ろうとしてしまったのは、これで何度目だろう。

 

あなたの夢を見た日の私は、何度もこんなふうに、

同じ夢への入り口を探して来ましたが、

結局、今回も、同じ夢へと辿り着くことは出来ないままに。

夢の中にいたあなたとの時間をもう一度大切に反芻してから、

仕方なく起き出したのでした。

 

今回の私が見たのは掃除機をかける夢でした。

 

こんなふうに言ってしまうとなんだかとても、

地味な夢だったようにも思えてしまいますが、

夢の中の私が掃除機をかけていたらね、

何故だか突然に、掃除機の調子が悪くなって。

どうしたものかと考えていたところに、

あなたが現れて、掃除機を直してくれたのでした。

 

私が使っていた掃除機は、

キャニスター型と呼ばれる掃除機でしたが、

何故だかあなたはそれを分解して、ロボット掃除機に変えてくれたのです。

 

それも、電車の形をしたロボット掃除機です。

 

あなたってやっぱり凄いなって、

こんな気持ちでロボット掃除機を受け取った私は、

嬉々としながら部屋の中に電車を走らせて、

とても楽しんでいたのに、突然に目が覚めてしまったのです。

 

そう。あなたって、こんな人。

あなたの発想って、いつでもこんなふうに面白くて、

いつでも私を驚かせてくれましたね。

 

もし出来れば、もう少しだけ、

あの掃除機が部屋の中を走る様子を見ていたかったし、

目が覚める前にもう少しだけ、あなたと言葉を交わしたかったな。

 

あなたの夢を見た日には、

すぐ側にいた筈のあなたに手を伸ばしてみたくなってしまうけれど、

何処に手を伸ばしたら、

あなたに触れることが出来るのかが、分からないままに。

 

 

 

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