拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

私が知る普通とは懸け離れた自分

あなたへ

 

携帯電話のアプリを開くと、私の目に飛び込んで来たのは、

本当はずっと、昔から女性になりたかったのだという年配の男性でした。

 

お化粧をして、可愛い服を着て、

とても嬉しそうに笑ったその男性の笑顔につられて、

私までもが、なんだか嬉しくて笑顔になって。

 

良かったですね

 

思わず、小さな声で、

画面の向こう側で笑う男性に声を掛けてから、

画面を閉じたのでした。

 

偶然見つけたあの男性は、

ずっと自分の本当の気持ちを誰にも言えないままに、

その人生を歩んで来たのだと言いました。

 

きっと、時代の移り変わりにより、漸く、

長きに渡り心の内に秘めていた本当の自分を、

表現出来るようになったのでしょう。

 

私がこの世界に生まれてから、

思い出せる限りの遠い記憶から順番に振り返ってみれば、

思えば随分と、時代に変化があったように思います。

 

どの時代にも、それぞれに良さはありましたが、

こうして、今の時代を見つめてみると、

自分が何者であるのかを、

自由に表現出来る良い時代になったのだと感じています。

 

偶然見つけたあの男性と私。

内側に持っていたものが違うだけで、

私には、何処か共通するものがあるようにも思えました。

 

思えば、あなたを見送ってからの私は、少しずつ価値観が変わり、

見える景色が変わりました。

 

私は少しずつ、私が知る普通とは懸け離れた自分となって行きましたが、

こんな自分を、自分としてちゃんと認めることが出来たのは、

時代の移り変わりもあってのことだったのかも知れません。

 

本来の自分という形を無意識に封印し、

現実的に目に見えるものだけを信じて歩むようになった私は、

皆が言う当たり前だけが全てであり、見えないのもは存在しないのだと、

こんな視点から物事を見るようになって行きましたが、

私は何処か、

言葉には出来ないままの窮屈なものを抱えてもいました。

 

こうしてあの頃の自分を見つめてみると、

実はほんの少しだけチグハグなものを纏いながらも、

少しもはみ出てはならないのだと、自分に言い聞かせるように、

誰かが準備した形へと自分を整えていたようにも感じますが、

時代の移り変わりという視点から見つめてみれば、

幼かった私の言葉を強く否定したあの頃の担任の先生は、

やはり、私を守ってくれるような存在だったのでしょう。

 

あの頃の先生の強い言葉は、

これから大人になる私が、時代に沿った生き方が出来るようにと、

何か、目には見えない領域からの配慮であったのかも知れないと、

今の私には、そんなふうにも見えました。

 

あれから、随分と時代が変わり、

自分が何者であるのかを、自由に表現出来る時代へと移り変わりました。

 

こうして今の自分を見つめてみれば、

私には、今の時代が合っているのかも知れないと感じています。

 

ほんの少しだけ時代の空気感が違えば、

私という形もまた、今の形とは違っていたのでしょう。

 

何故、この時代を選び生まれて来たのか。

 

もしもそこに理由があるとするのなら、

この時代の中で、私は本来の私として、

生きて行く道を見つけるためだったのかも知れませんね。

 

 

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