拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

シャボン玉

あなたへ

 

シャボン玉をしたい

 

突然にこんな気持ちを見つけたのは、いつの頃だっただろう。

 

買い物ついでに買ったシャボン玉を棚の上へと置いたまま、

時々横目にそれを見ながらも、

なかなかそこから先に進むことが出来ないままに、此処までを歩んで来ました。

 

私ね、シャボン玉が大好きだったの。

 

子供の頃は、本当によく、シャボン玉をして遊びました。

時々には、自分でシャボン玉を作ることもありましたよ。

近所の友達と皆で、それぞれに自宅で作ったシャボン玉を持ち寄って、

一緒にシャボン玉をしたりしてね。

 

キラキラと光るシャボン玉を見つめるのも、

それから、誰が一番大きなシャボン玉が出来るかって、

こんな競争をするのも、とても楽しかった思い出です。

 

そんな私が、再びシャボン玉をしてみたいと思い立ったのは、

大人になるほんの少し手前の頃でした。

 

あの頃の私は、なんの躊躇もなく、

思いつきでシャボン玉をして遊んでみたけれど、

偶然、近所の人に見られてしまって。

 

なんだかとても恥ずかしくなって、

シャボン玉遊びには年齢制限があるのかも知れないなって、

自分で自分に蓋をしてしまったのでした。

 

大人になった私が、堂々とシャボン玉遊びを楽しめるようになったのは、

あの子が生まれて来てくれたからでした。

 

幼いあの子が一緒なら、

私も一緒にシャボン玉遊びをしても、おかしくないって、

実は、あの頃の私の中にはこんな気持ちがありました。

 

誰の目を気にすることもなく、

堂々とシャボン玉をして遊んだあの時間は、

あの子がくれた贈り物みたいな時間でもありました。

 

大好きなシャボン玉遊びは、もう十分に楽しんだ筈なのに、

何故突然に、シャボン玉遊びをしたいと思ったのだろう。

 

なんだか笑ってしまうけれど、

本当は、大好きなものって、

ずっと大好きなままなのかも知れませんね。

 

やりたいのなら、やれば良いよ。

こんな気持ちでシャボン玉を買った筈だったのに、

今日もまた、視界の端にシャボン玉の存在を気にしながらも、

何処でシャボン玉をすれば良いのかが、分からないままに。

 

絶対に人目につかなくて、

綺麗な景色が見える場所で、シャボン玉をしてみたい。

 

きっとね、あなたが此処にいてくれたのなら、

こんな私の声に、言ってくれたのでしょう。

 

じゃぁ、あの場所が良いかな

連れて行ってあげるよって。

 

そう。Sボードに嵌っていたいつかの私たちの声に応えて、

あの堤防に連れて行ってくれた時のように。

 

またひとつ、

もしもあなたが此処にいてくれたのならって、

こんな気持ちを見つけたけれど、

この人生だからこその私だけの場所が、

いつか見つかるのかも知れませんね。

 

 

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