あなたへ
余程の寝不足や体調不良でなければ、頭痛が起きることのない私ですが、
寝不足でも、体調不良でもないにも関わらず、
突然に頭痛を感じたのは、昨夜のことでした。
即座に横になりたい欲求を抑えながら、
寝支度を整えることにしましたが、
そんな私の中へと蘇ったのは、いつかのあなたの言葉でした。
頭痛が痛いって言葉、なんか変だよね?って。
そう。あれは確か、
私たちが家族になったばかりだった頃のことでした。
どうしてそんな話になったのかは忘れてしまったけれど、
なんだか不自然さを感じるその言葉に、
あなたと一緒に笑ったことだけは、今でもよく覚えています。
あれからでしたね。
時々のあなたが、日常会話の中に、
頭痛が痛いという言葉を取り入れるようになって行ったのは。
頭痛持ちだったあなたは、
頭痛を訴えながら横になることがあったけれど、
時々には、頭痛が痛いから少し休むねって、
こんな言葉で、頭が痛いことを知らせてくれました。
あなたが、頭痛が痛い、なんて言っている時は、少しだけ頭が痛い時。
でも、頭が痛い、と言っている時には、本当に辛い時。
あの頃の私は、あなたが発した言葉から、
あなたの頭痛のバロメーターを密かに測ったりもしていたのでした。
日常の中、何気ない瞬間から、
私たちにだけが分かる言葉が生まれたり、
私たち2人が揃った時にだけ、
乗用として使われる言葉を見つけたり。
私たちにだけが分かる特別な言葉を使う会話は、
2人だけのリズムでしたね。
昨夜の私は、頭痛を感じながらも、
不意にあの頃のあなたの声が蘇って、なんだか笑ってしまいました。
一晩、ゆっくり休んだ今日の私は、
すっかりと元気になりました。
因みに、昨夜の私の頭痛は、
頭痛が痛い、程度のことでしたので、ご安心を。
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