あなたへ
シャボン玉をやりたい
自分の中にこんな気持ちを見つけてから、数ヶ月が経とうとしていますが、
私、遂に、絶対に誰にも見られることなく、
シャボン玉を楽しめる場所を見つけました。
さて、何処だと思いますか。
答えはね、夜のベランダです。
私はずっと、人目につかない何処かへ出掛けて、
誰にも見られずにシャボン玉をすることばかりを考えて来ましたが、
よく考えてみれば、家のベランダという私だけの空間を、
夜という闇が隠してくれるのなら、そこは、
誰にも見られる心配のない場所へと変わるのだということに、
不意に気が付いたのです。
灯台下暗しです。
今夜の私は、早速、ベランダに出て、
シャボン玉を楽しんでみることにしましたが、
思っていたよりも、ずっと素敵で、
快適なシャボン玉タイムを過ごすことが出来ました。
ねぇ、あなたは、
夜空に浮かぶシャボン玉って、見たことがありますか。
夜のシャボン玉ってね、月明かりや街灯に照らされて、
日中には見ることの出来ない光を放つんだよ。
そして、
夜空に浮かぶシャボン玉って、なんだかとても幻想的。
思っていたよりもずっと素敵な景色に見惚れて、
今夜の私は、随分と長い時間、
夜のシャボン玉を楽しんでしまいました。
これは、大人になった私だからこそ、
見つけることの出来た景色なのでしょう。
シャボン玉は、子供だけが堂々と楽しんでも良いものなのかも知れないと、
こんなふうに考えていた私ですが、
大人になったら、
大人としての楽しみ方があるのかも知れませんね。
夜の暗闇に包まれた静かなベランダ。
これが、この人生を生きる私が見つけたシャボン玉の場所なのだと、
なんだか少しだけ、誇らしい気持ちをも感じてしまいましたが、
私が住むこの場所は、
きっとあなたが連れて来てくれた場所。
少しだけ空に近くて、
雨上がりの私の部屋からは、虹が見えて。
そして秋には、金木犀の香りが届いて。
そんな素敵な場所には、
シャボン玉をする場所までが準備されていていました。
あなたは、本当に素敵な場所に、私を連れて来てくれたんだね。
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