拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

年を重ねる -2025-

あなたへ

 

あの夏にいた私は、あなたよりも7つ年上になったよ

 

空を見上げて、こんな報告をしながらも、

なんだか少しだけ寂しい気持ちを見つけてしまったのは、

あなたとの仲睦まじいの年齢差が、私にとって、

特別な年齢だったからなのかも知れません。

 

もう、あなたとの仲睦まじいの年齢差は、終わっちゃったんだな

 

小さく呟いてみれば、思っていたよりも、

ずっと寂しげな自分の声が聞こえてきて。

 

だって、それはそうよね。

あんなにも素敵な景色ばかりが染まった年齢だったんだもの。

 

無事にまたひとつ歳を重ねることが出来た筈なのに、

素直に喜べないでいる私を慰めるかのように、

お誕生日おめでとうと小さく呟いてみたのでした。

 

素直に喜べない誕生日。

 

今日は私にとって、そんな誕生日なのだと、

俯いた筈だったのに、不意に私の中へと蘇ったのは、

いつかのあの子の声でした。

 

どっちも7だね

2人は出会う運命だったんだねって。

 

これは、私が気付かなかったあなたと私の共通点を、

あの子が見つけてくれた日の言葉でした。

 

仲睦まじい、の年齢差が過ぎたのなら、

今度は、私たちにとっての、

特別な数字の年齢差がやって来たのだということに気が付いてみれば、

さっきまでの寂しかった気持ちから一変して。

私に見える景色は、一気に色鮮やかな景色へと変わったのでした。

 

ねぇ、あなた。

なんだかとても不思議ですね。

 

もしも、あの日のあの子が、

私たちの共通点を見つけてくれなければ、

今日の私は、ひとりで寂しい気持ちを抱えていた筈なのに。

 

あの子は此処から巣立つ何年も前に、やがてひとりで誕生日を迎える私が、

素敵な気持ちで誕生日を迎えられるようにって、

そんな段取りをしてくれていたようにも感じてしまうのです。

 

言葉とは、本当に不思議な力を持っているものです。

 

今日の私の中に蘇ったあの子の言葉は、

必要な時が来たら、私を笑顔に変えることが出来るようにと、

あの子が私の中の心の引き出しに、

仕舞っておいてくれた言葉だったに違いありません。

 

あの子が染めてくれたばかりの、

色鮮やかに染まった景色を改めて、見つめてみます。

 

今、此処に見えるのは、私たちの特別な色に染まった景色。

此処からの私は、色鮮やかなこの景色の中を歩んで行くんだね。

 

きっと、たくさんの素敵な景色が待っていてくれるんだろうな。

 

あの子のお陰で、今日の私は、最高の笑顔で、

新たな年齢を迎えることが出来ました。

 

あなたよりも7つの年を重ねることが出来た私は、また此処から、

素敵なものをたくさん集めながら、歩んで行くよ。

 

 

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