拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

携帯電話が壊れた本当の理由

あなたへ

 

この瞳に映る星空が、本当の星空なのだと思い込んでいた私は、

随分と長い間、それを当たり前かのように見つめていたけれど、

本当の星空は、実は全然違っていて。

 

その衝撃を忘れることが出来ないままに、何度でも、

星空の写真を撮っては、そこに映る本当の星空を見つめながら、

私は様々な視点を集めて来ましたが、

この世界もまた、星空と同じなのかも知れないと、

私はいつの頃からか、こんなふうに考えるようになりました。

 

そう。例えば、

目に見えないものは存在しないのだと考える人もいれば、

目に見えないものは存在するという考え方をする人もいます。

 

前世などないと考える人もいれば、前世はあると考える人もいます。

 

この世界に生まれたことに対する理由など、何もないと考える人もいれば、

この世界に生まれた理由は必ずある筈だと考える人もいます。

 

きっとね、

目に見えないものは存在しないと考える人の世界では、

目に見えないものは存在しないの。

 

前世はないと考えている人には、前世は存在しないし、

生まれた理由など何もないと考えている人は、きっとそうなのでしょう。

 

きっとね、感じたことが全部、正解なの。

ないと感じている人には、ない、が正しい。

あると感じている人には、ある、が正しい。

 

きっとこの世界って、そんなふうに出来ているの。

 

例えば、そちら側と、こちら側。

世界を大きく分けた時に、この世界って、ひとつだから、

私はずっと、皆、同じ世界を見ているのだと思っていました。

価値観や考え方は違っても、同じ世界の中に存在し、

同じ景色の中を歩んでいるのだと。

 

でも、本当のこの世界って、実は、全く別な世界が無数に存在しているのに、

私は、大きな括りである『1』という世界でしか、

この世界を見ていなかったのかも知れないと、

不意にこの世界が、これまでとは全く違ったものに見えた瞬間があったのです。

 

いつかの私は、人生の中で関わりを持つことが出来るのは、

実はほんの一握りの人たちだけなのだと、こんな視点を見つけましたが、

それは、同じ世界、または、とてもよく似ている世界の中に存在する人としか、

関わりを持つことがないからだと、こんな解釈をすることも出来るのかも知れません。

 

ほんの一握りの人との出会いでありながら、

生涯を通して関わりのある人がごく僅かであるのは、

それだけ、見えている世界が違うからだと言うことも出来るのかも知れません。

 

こんなふうに、この世界を見つめてみれば、

いつかの私が、全く理解出来ずにいたあの、難し過ぎる本に関しても、

全く同じことが言えるのかも知れません。

 

あの本を購入した当初の私はきっと、

著者が見ている世界とは、全く別な世界を見ていたのでしょう。

だからこそ、日本語で書かれているにも関わらず、

そこに並んだ文字を理解することが出来なかったのだと考えることが出来ます。

 

いつかの私は、今の自分にとって必要なものは、

実は先に目の前に現れるものなのだと、こんな視点を見つけましたが、

今回の私が見つけた視点に置き換えて考えてみるとするのなら、

あの本を購入した後の私は、時間を掛けて少しずつ、

著者が見ている世界へと近付くことが出来たから、

あの本をすらすらと読むことが出来たと考えることも出来るのかも知れません。

 

過去の私が見つけた視点と、新たな視点を線で結んで考えてみるとするのなら、

私は、私が望む世界へと真っ直ぐに歩むことが出来ていたらから、

先にあの本との出会いが訪れ、

やがて目指した世界へと辿り着くことが出来た証拠として、

その本を読むことが出来たと、考えることが出来るのかも知れません。

 

視力がとても良かったあなたと、

あなたのそれよりも低いけれど、でも、私よりも視力が良いあの子と、

そして、視力が弱い私が、同じ場所から同じ星空を見上げたとしたのなら、

きっとそれぞれに、全く別な星空が瞳に映るのでしょう。

 

それは、全く別な世界を見ていることと同じことなのかも知れません。

 

人それぞれの瞳に映る星空が違うように、

この世界もまた、人それぞれ全く違って見えていて、

それは、存在する世界そのものが違うことなのかも知れないと、

星空の写真を見つめながら、いつの頃からか私は、

こんなふうにこの世界を見つめるようになりました。

 

携帯電話を買い替えてからの私は、

幾つくらいの新しい視点を見つけて来ただろう。

 

携帯電話を買い替えた理由は、全く別なところにありましたが、

こうして振り返ってみれば、携帯電話が壊れた本当の理由は、

星空を見つめ、そして、私に見える景色を変えるためであったのかも知れないと、

そんなふうにも思えました。

 

きっとね、携帯電話を買い換える時期も、

あの子が間も無く帰って来る12月でなければならなかったのでしょう。

 

だってもしも、

一番初めに携帯電話の調子が悪くなった秋に買い替えをしたとするのなら、

冬のあの子の帰省の時には、すっかり新しい携帯電話にも慣れて、

星空の写真を撮ることが出来なくとも、

私はきっとそれ以外の機能に満足していたのでしょうから。

 

もしも、携帯電話を買い替えるタイミングが少しでも違えば、

あの子に、星空の写真の撮り方を教わることもないままに、

私は、此処から見える星空を、

この瞳に映るものが本当の星空だと思い込んだまま、

歩むことになっていたのでしょう。

 

起こる物事は、いつでも順序よくやって来る。

そして、人生とは、本当にとても良く出来ている。

 

自分に起こった出来事や流れを見つめてみれば、

やはり私には、そんなふうに見えて仕方がありませんが、

私は、そんな世界の中に存在しているからだと、

こんな解釈をすることが出来るのかも知れません。

 

今回の携帯電話へと買い替える前の私と、今の私とでは、

存在する世界が少し違うようにも感じていますが、

今の私が存在する世界は、

これも違う

それも違う

こうじゃない!と、自分に見える景色に納得が出来ずに、

時に踠きながらも、前へと歩みを進めて来たからこそ、

漸く見えるようになって来た新たな世界だと言うことが出来るのでしょう。

 

この世界には、きっと異なる世界が無数に存在していて、

自分が存在する世界は、実は自分で決めることが出来るものなのかも知れませんね。

 

例えば、1年前、3年前、5年前の私が存在していた世界が、

今の私が存在する世界とは異なるように。

 

これが、この世界の本質なのかも知れないと、

今の私には、この世界がそんなふうに見えるのです。

 

星空の写真を見つめながら、私はまたひとつ、

新たな視点を集めることが出来ました。

 

今はまだ、点でしかないものですが、

いつの日か、これまでの私が集めた視点と結び合わせることが出来る日が来たのなら、

私には、この世界がまた少し違って見えるのでしょう。

 

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