あなたへ
シャボン玉をしたい。
こんな気持ちを大切に、
私だけのシャボン玉の場所を見つけることが出来たあれからの私は、
もう、何度くらい、シャボン玉時間を楽しんだだろう。
何処へ出掛ける必要もなく、
私だけのプライベート空間で完結出来るということは、
例えば、5分だけシャボン玉をするという楽しみ方も出来るのです。
それ故に、あれからの私は、穏やかな夜を見つけると、
シャボン玉を持ってベランダへと出るようになりました。
私が初めて、夜のシャボン玉時間を楽しんだのは、
まだ春の暖かさを感じる前のことでした。
あの日の私は、シャボン玉に夢中になって、
随分と長い間、その時間を楽しんでいましたが、
いつの間にか、指先がとても冷たくなっていて。
そんなふうにシャボン玉に夢中になれたことも、
なんだか笑ってしまう良い思い出ですが、
あれから随分と、夜の空気の冷たさも和らぎ、
より、シャボン玉時間を楽しめるようになりました。
穏やかな夜を見つけた今夜の私も、
僅かにではありますが、夜のシャボン玉を楽しんでしまいました。
これからもっと暖かくなれば、
きっともっと、夜のシャボン玉時間が楽しくなって行くのでしょう。
ねぇ、あなた。
なんだかとても不思議ですが、
シャボン玉時間に夜空を見上げるとね、
前よりも、多くの星がこの瞳に映るような気がするのです。
それは、気付かぬうちに、
大切な何かを、少しずつ思い出すことが出来ているからなのか、
それとも、
夜空を見上げる時間が増えて、
私の視力に何かしらの良い影響があったからなのか、
理由はよく分かりませんが、
今の私には、この世界がほんの少しだけ、
違って見えるような気がします。
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