拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

時々、ぶち撒けたくなる感情

あなたへ

 

大人になっても甘えても良い相手ってさ、

きっと、ひとりだけなんだね。

 

あなたを見送ってからの私が初めて、こんな言葉を呟いたのは、

いつの頃のことだっただろう。

 

もっと強くなりたい。

もっと成長して、素敵な人になりたい。

 

あなたを見送り、少しずつ自分にとっての前を見つめられるようになった私は、

自分の目標を持って、

しっかりと前へと歩む私へと成長することが出来たように感じていますが、

そんな日々の中、不意に、誰かに甘えてみたいと、

こんな気持ちを見つけるようになりました。

 

強くなることは、ひとりで頑張り続けることなのだと、

その都度、自分に言い聞かせては、自分を奮い立たせて、

しっかりと前を向き直して来た私ですが、

生涯を通して、そうしたくなった時に甘えることができる相手は、

私にとってはあなただけだったんだなって、

そんな気持ちを見つけた日があったのです。

 

あなたよりも、7つも年上になった私なのに、

相変わらずに、不意に誰かに甘えてみたくなってしまうだなんて、

なんだか笑ってしまうけれど、

どんなに歳を重ねても、

時々には、誰かに甘えてみたくなってしまうものなのかも知れません。

 

本当は、寂しい。

 

本当は、あなたの隣で成長する私でいたかった。

 

本当は、こんな痛みなんて知りたくはなかったし、

ひとりで頑張り続ける意味が分からない。

 

もう、誰にも甘えることが出来なくなってしまった私は、

そうしたくなった時には、

かつてはすぐ側にあった筈のあなたの温もりを探しながら、

盛大に弱音をぶち撒けて、

しっかりと、その時の自分の気持ちを感じ切ってみるのです。

 

そうして、気が済んだのなら、今度は、

あの頃の私があなたに甘えていた時間を、ひとつひとつ、思い出してみます。

 

あなたの膝の上に頭を乗せた私の髪を撫でてくれたあなたの手の感触。

あなたの膝の上に座った時に感じたあなたの温もり。

 

そこにあるあなたの温もりを確かめるように、しっかりと感じ切ったのなら、

今度は、ぶち撒けてしまった気持ちをひとつひとつ回収して、

改めて、しっかりと今の私にとっての前を確認してみるのです。

 

私はもう、誰にも甘えることなんて出来ないけれど、それでいい。

私には、この人生でのやるべきことが山積みだもの。

 

これが、今の私にとっての前であるのだと。

 

誰かに甘えてみたい。

自分の道を真っ直ぐに歩みながらも、時々には、

こんな気持ちと向き合い続けて来た私ですが、

いつの日か、こんな気持ちを見つけることがなくなる日が来たのなら、

私は、私が目指す自分に大きく近付いたということなのかも知れません。

 

自分の気持ちを盛大にぶち撒けたのなら、

それを回収して、しっかりと前を向き直す。

 

こんなふうに過ごした日々を、懐かしいと思える日が来るまで、

私はきっと何度でも、自分の中に、同じ気持ちを見つけるけれど、

きっと、私は大丈夫。

 

何度、同じ感情をぶち撒けたって、

ちゃんとそれを回収出来る私へと成長することが出来たのだから。

 

誰かに甘えてみたいだなんて、

思えば、あなたの隣で笑っていた頃の私は、知らなかった気持ちでした。

だって、そうしたくなった時には、いつでもあなたが側にいてくれたもの。

 

時々、私にとても甘かったあなた。

 

どうしてこの人は、私にこんなに甘いのだろうって、

あの頃の私は、そんなふうにも考えていたけれど、

きっとさ、今の私に必要な分が、

あの、16年間の中に詰まっていたからなんだね。

 

 

 

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