あなたへ
あの子との非日常生活が、また終わってしまいました。
夕方に、あの子はこちらを出発しました。
このゴールデンウィークも、
互いにひとつ歳を重ねてから、初めての再会となりました。
お誕生日おめでとうを互いに言い合って、笑い合って。
そんなふうに、私たちのゴールデンウィークは始まりました。
23歳になったあの子も、相変わらずによく笑う良い子。
あの子の笑い声は、あなたのところまで届いたでしょうか。
いってらっしゃい
行ってきます
相変わらずに、出たり入ったりと忙しないあの子だったけれど、
家で仕事をする姿もありました。
真剣にパソコンに向き合うその横顔は、
あの子が立派な大人になったことを私に教えました。
外出先での楽しかった出来事
将来の目標の話
仕事の話
私たち2人が揃えば、相変わらずにどこまでもお喋りは続き、
時間は瞬く間に過ぎ行きました。
え?あと2日しか残っていないよ
嘘でしょ?
時間が経つのが早過ぎるよ
これは、一昨日のあの子の声です。
つい先日、こちらに帰って来たばかりであった筈なのに、
あの子と過ごす時間というのは、どうしてこうも、
あっという間に過ぎてしまうのでしょうか。
時間の経ち方が、
おかしいのではないかと話し合ったあの日の私たちの中で浮上したのは、
2秒が1秒になっている説でした。
この世界に流れる時間は平等である筈ですが、
私たち2人が揃うと、何故だか見えない力が働いて、
2秒が1秒になってしまうのかも知れません。
なんて、こんなことを言ったとしたのなら、あなたはきっと笑うけれど、
そんな不思議な力も存在するのかも知れませんよ。
瞬く間に過ぎてしまったこのゴールデンウィークでしたが、
今回のあの子との時間の中にも、たくさんの素敵な思い出が詰め込まれました。
あの子がこちらを出発する瞬間まで、互いに笑い合い、
冗談ばかりを言い合った時間はやはり、
不平等に流れ行く時間であったようにも感じてしまいますが、
いつも通りのハイタッチで、私たちは、
それぞれの日常生活へと戻る時間を迎えました。
たくさん食べて、たくさん眠って、
たくさん遊んで、たくさん笑ったあの子はきっと、
明日からまた元気に歩んで行くのでしょう。
静寂に包まれたこの家の中に、
ほんの少し前まで聞こえたあの子の笑い声を反芻し、
そこに見つけた気持ちを感じ切ったのなら、
私もまた此処から、しっかりと前を向いて、
自分の道を歩んで行こうと思います。
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