拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

魂の繋がり

あなたへ

 

ねぇ、あなた。

きっとさ、魂って繋がっているんだね。

 

上手くは言えないけれど、きっとさ、

この世界に生まれ落ちる前の私たちは、もっと強くに結ばれていたのかも知れないね。

 

この世界では肉体があるから、個であるように感じるけれど、

本当は、個ではなくて、もっと深い部分では、強固に結ばれているの。

 

そう。もしも、そうであったとしたのなら、

これまでの私が見てきた不思議な物事に、納得が行くようにも思うのです。

 

あの子って、不思議な子。

 

こんなふうに、あの子という存在を見つめてみるようになったのは、

思えば、あなたを見送ってからのことでした。

 

そう。例えば、

家にあることすら知らない筈だったのに、

突然に、家に電動ノコギリがある筈だと言い出したあの子が、

それがどこにしまってあるのかを言い当てた日がありました。

 

それから、危険のないようにと、隠すように仕舞ってあったディスクグラインダは、

初めて見たものであった筈だったのに、

ディスクグラインダの電源を入れるとどうなるのかを、あの子は教えてくれました。

あの時のあの子は、頭の中に、

電源を入れた時の映像が浮かんだのだと、こんな話をしてくれて。

 

そして、私が前向きではない気持ちでいる時には、

私の心の中を知っているかのように突然に、

必ずあの子は、前向きな言葉を掛けてくれたのでした。

 

不思議な数々の出来事を見つめながら、あなたがあの子に様々なことを教え、

時には、あの子に乗り移るような技を使い、

そして、時々のあなたは、あの子の口を借りて、

話をしているのかも知れないと、そんなふうに考えた日がありました。

 

あなたとあの子はきっと繋がっているから、

私に不思議な物事を見せ続けてくれるのかも知れないと。

 

おやすみ

いい夢見てね

 

これは、あなたがいつも、眠る前のあの子に掛けていた言葉でした。

 

あの日の私も、あの子にいつも通りの夜の挨拶をする筈だったのに、

あなたの言葉が口から勝手に出て来たような不思議な感覚があったのは、

いつの頃のことだっただろう。

 

初めてのその感覚に、私はとても驚いたけれど、こうして思い返してみれば、

あの日のあの子は、言葉にはしないままに、

本当は、あなたを恋しがっていたのかも知れません。

 

だからこそ、あなたはきっと、私の口を使い、

あの子に、あなただけの言葉を伝えたのかも知れません。

 

そう。私の意思とは関係なしに、私の口から言葉が出て来たのは、

あの、遺品整理の時だってそうでした。

 

きっと、あなたの力が加わっていたのだろうと思える不思議な出来事の数々は、

挙げ出せばキリがないくらいに、私の日常生活の中に溶け込んで行きました。

 

そんな説明のつかない不思議な出来事を見つめながら、

私は、あなたとあの子、そして、あなたと私って、

きっとこんなふうに繋がり合っているのだろうと考えていました。

 

私たちとは別な世界に存在するあなただけが、

きっと不思議な力を使えるんだろうなって。

 

でも本当は、もっと深い部分での何かがあるのかも知れないと、

そんなふう考えるようになったのは、

あの子が此処から巣立ってからのことでした。

 

巣立った我が子というのは、

親である私の視野をも大きく広げてくれる存在なのだと、

こんなふうに、あの子という存在を見つめた日がありましたが、

それにしても、あの子はいつでも絶妙過ぎるタイミングで、

新しい物事を私に運んでくれます。

 

離れて暮らしている筈なのに、

まるで、私の成長度合いを知っているかのように、

その時の私に合った物事を必ず運んで来てくれるのです。

 

そう。それから、私が大きく体調を崩すと、何故だか必ず、

あの子から電話が掛かってくるのです。

 

それも、例えば、風邪の引き始めや、治りかけの頃ではなく、

一番酷く辛い時に、です。

故に、いつもとは違う声から、直ぐに気付かれてしまうのです。

 

実は昨年の私は、二度程、大きく体調を崩しました。

黙っていれば、あの子に心配を掛けることはないのだと、

こんなふうに考えながら過ごした私でしたが、

あの子が電話をくれるから、気付かれることになって。

 

こんなにも離れた場所にいる筈なのに、

あの子にはきっと、嘘も、隠しごとも通用しないんだなって、

あの時の私は、こんなこと考えたのでした。

 

そして、今回の母の日のチケットだって、そうだと言えるのでしょう。

私は、アイスクリームが食べたいとも、ドーナツが食べたいとも、

あの子にそんな話をしたことはありません。

 

あの子はきっと、全てを無意識にやっているのでしょう。

 

あの子が見せてくれる不思議な出来事の数々を見つめてみれば、

この世界に存在する私たちには知ることの出来ない、

深い、深い部分での強い繋がりがあるからこそなのかも知れないと、

いつの頃からか、漠然とそんなふうに考えるようになりました。

 

あなたを見送り、

この瞳には映らなくなってしまったあなたを探し続けるようになった私は、

思えば少しずつ価値観が変わり始めて、

思えば随分と信じるものが変わり行きました。

 

この10年と9か月を掛けて、集めた様々な物事を総合して考えてみれば、

あなたとあの子、そして、あなたと私という繋がりだけでなく、

この世界に個として存在していながらも、

あの子と私にもまた、

目には見えない領域で強固に繋がり合う何かがあるようにも思えました。

 

きっと、私たち家族3人は、

私が考えているそれよりもずっとずっと強い結び付きのある3人であり、

それは、魂同士が強く結ばれた関係性、

という言い方をすることも出来るのかも知れません。

 

本当の答えを知らない私は、不思議な物事に出会えば、

きっと何度でも、こうしてあなたへの手紙を綴ってみたくなるのでしょう。

 

そうしてひとつひとつ、不思議な物事を集め続ければ、

やがてはまた新たな視点が見つかる日がやって来るのかも知れませんね。

こうして、

あの夏から集め続けたものがやがて、大きな視点へと変わったように。

 

 

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