拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

昨夜の私が絶対に見ちゃったもの

あなたへ

 

え?今、見たよ

見ちゃったよ

絶対に見ちゃったからね

 

こんな私の言葉に、あなたはそれ以上に表情を変えることなく、

笑顔のままで、こちらを見つめ返すばかりだったけれど、

私は確かに見ました。

あなたの表情が変わった瞬間を、確かにこの目で見ちゃいましたよ。

 

それは、昨夜のことでした。

 

濃いピンク色と薄いピンク色、それから、オレンジ色と緑色。

一箱に4色が入ったお線香は、

ここ最近の我が家で使っているお線香の色です。

 

昨夜の私は、オレンジ色のお線香を手に取ったけれど、

あなたが今日は緑色が良いと言っているような気がして、

緑色のお線香に火をつけたのでした。

 

その瞬間、私の視界の端に捉えたのは、

あなたの表情が変わる瞬間だったのです。

いつもの穏やかな表情から、ニコッと微笑んだ瞬間です。

 

え?今、見たよ

見ちゃったよと、繰り返し見てしまったことを伝えれば、

あなたは降参して、話をしてくれるかも知れないと、

僅かにこんな期待を込めて、あなたを見つめてみたけれど、

あなたはいつも通り、微動だにしないままに。

 

私が期待した瞬間が訪れることはなかったけれど、

それでも私は、あなたの声を待っていました。

今夜は、あなたと話が出来るのかも知れないと、そんな淡い期待を込めて。

 

あの夏からどんなに先へと歩んでも、

前を向いて歩めるようになっても、

本当は、あなたと話をしてみたい。

私の大好きなその声を、もう一度だけ、聞いてみたい。

 

不思議な瞬間を見つけてしまった日には、

普段は上手に隠せるようになった本当の気持ちが溢れ出てしまうけれど、

やはり、そちら側とこちら側には、

決して曖昧にしてはならない境界線があるんだね。

 

でも、それでもいいの。

昨夜の私は、絶対に、見ちゃったんだから。

 

期待した瞬間は、やっては来なかったけれど、

今日は緑色がいいと、

伝えてくれたあなたの想いをちゃんと受け取ることが出来たことは、

きっと本物だった筈だから、それでいい。

 

この4色のお線香は、味的な何かが違うの?

あなたの一番のお気に入りは、どの色?

 

私はただ、こんな他愛もない話をしてみたかっただけなんだ。

それがあの夏からの続きの時間であるかのようにさ。

 

 

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