あなたへ
お線香が入った箱の中をまじまじと見つめながら、
思わず驚いてしまったのは、昨夜の私です。
普段はあまり意識をせずに、お線香へ手を伸ばしていた私ですが、
何気なくお線香の箱を手に取って、中身を見てみれば、
なんと緑色のお線香だけが、やけに減っていたことに気が付いたのです。
1箱に4色が入ったこのお線香は、
順番を決めてあげていたわけではないけれど、
同じ色ばかりにならないようにと、なんとなく、色を意識していた筈でした。
それなのに、緑色だけがこんなに早くに減っているだなんてと、
思わず、まじまじと箱の中を見つめてしまったのです。
今日は緑色が良いと、
こんなあなたの想いを受け取ったのは、先日のことでしたが、
実は、ずっと前から私はそうとは気付かぬままに、
あなたからの想いを受け取り続け、
無意識に、緑色のお線香ばかりを選んでいたのかも知れません。
偶然と言えば偶然とも思えるような物事にも見えますが、
あの日、あなたの表情が変わる瞬間を見てしまった私にとってのこれは、
必然であるような気がしてなりません。
どんなに問い掛けてみても、じっとその顔を見つめてみても、
あの日のあなたは、ただその笑顔をこちらに向けるばかりで、
私が期待した時間はやって来ないままだったけれど、
この箱の中に、あなたからの答えが見えたような気がしました。
きっと、この4色のお線香は、味的な何かが違っていて、
あなたはきっと、緑色のものが一番のお気に入りなのでしょう。
今夜は、緑色のお線香を選びましたよ。
今頃のあなたは、喜んでくれているでしょうか。
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