あなたへ
人生には、耐えられる試練しかやって来ないのだと、
こんな言葉を初めて耳にしたのは、いつの頃のことだっただろう。
温かなあなたの大きな手を、ただ握り締めるしかなかったあの頃の私は、
あなたがいない人生など、私に耐えられる筈がないのだと考えていた筈だったのに、
私が唯一、絶対に耐えられないであろうと考えていた未来の形は、
私の現実として、目の前に現れました。
あなたがいない世界を生きることなど、私に耐えられる筈がないのに、
何故、あなたはこの世界から居なくなってしまったのだろうかと、
こんなふうに考えたことは、何度あっただろう。
私には、絶対に耐えることの出来ない試練がやって来てしまった筈だったのに、
私は今、自分の前をちゃんと見つけて、
あなたがいないこの人生を歩むことが出来ています。
あなたがいないこの世界を生きることが、
私に課せられた試練であったとしたのなら、
私は、それに耐え、そして、
ある種の壁を乗り越えることが出来たということなのでしょう。
あの夏から、此処までの人生を振り返ってみれば、
本当は、耐えられる試練しかやって来ないのではなく、
絶対に耐えられるように出来ている、という見方が出来るのかも知れないと、
今日の私はふと、こんなことを考えました。
人生とは、実はよく出来ているのだと、
こんな視点を初めて見つけたのは、いつの頃のことだっただろう。
あなたがいないこの世界を生きられるだけの強さなど、
私に備わっていたわけではありません。
それでも私の環境下には、
立ち上がるだけのものが全て揃っていたからこそ、
この人生を生きなければならないのだと、
そんなふうに決意することが出来たのだと思います。
辛くて仕方がない時も、
もう耐えられないと、泣きながら弱音を吐きながら、
立ち止まってしまった時だってありました。
でも、諦めてしまわない限り、
目の前に立ちはだかる大きな壁さえもを乗り越えることが出来るだけの、
色々なヒントや助けが、実は、準備されているのが人生なのかも知れません。
人生って、実は、
全てがそんなふうに出来ているのかも知れませんね。
人生の中には、予期せぬ形でやって来る試練と、
自らが挑戦する試練があるものなのだと私は思っていますが、
どちらの試練においても、諦めさえしなければ、
必ず耐えて、そして乗り越えられるように出来ているものなのかも知れないと、
今日の私には、人生というものが、こんなふうにも見えました。
きっと私は相変わらずに、この人生を歩みながら、
盛大に弱音をぶち撒けては立ち止まってしまう日もあれば、
この人生を選んで生まれたのであろう自分に対して、
なんでなの?って、問い掛けてしまう日もあるけれど、
今日の私が見つけた視点はきっと、
此処から先へと歩む私の大きな支えとなってくれるのでしょう。
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