あなたへ
私は、躊躇なく、堂々と後ろを振り返りながら生きる。
こんなふうに自分の生き方を決めたのは、
いつの頃のことだっただろう。
改めて、あの夏から先へと歩んだ私の道のりを振り返ってみれば、
あの頃の私が見つけた生き方は、
今の私の原点となるような考え方でもあったのかも知れないと感じています。
後ろを振り返り、あの夏にいるあなたに手を伸ばしながら、
ゆっくり、ゆっくりと歩みを進めた私はやがて、
死別の悲しみは、乗り越えるものではなく、向き合い続けることなのだと、
この人生に対して腹を括り、
その時々で感じる痛みとしっかりと向き合いながら生きるようになりました。
どこにも逃げ場のない痛みと向き合い続けることは、一見して、
自分を痛め付けるようなやり方でもあるように感じていたけれど、
でも、本当は違っていたのだと、
新たな視点をひとつ、見つけることが出来たのは先日のことでした。
その時々で感じた痛みを咀嚼し続けることは、
目の前にある幸せもまた、
存分に感じ切ることの出来るやり方へと繋がって行ったのかも知れないと、
ふと、先日の私はこんな視点を見つけたのです。
きっとね、ひとつの感情とちゃんと向き合い続けることって、
他の感情に対しても、真剣に向き合うことが出来るようになるってことなの。
だからこそ私は、生きることへの自分なりの視点を見つけ、
生への愛おしさや美しさをも見つけることが出来たのだと思いました。
どんなに辛いことがあっても、どんなに胸の奥に痛みを感じても、
出来るだけ見ない振りをして生きる。
本当は、そんな生き方だってあったのでしょう。
私が選んだ生き方は、
時に、どうしようもない苦しさを感じることもあるけれど、
私はそこから、掛け替えのない素敵なものを、
見つめられるようにもなったのだと思いました。
あなたを見送り、私は、ゆっくりと歩みながら、
様々な視点を見つけ成長し、
気が付けば、
私は、私にとっての、
良い生き方を見つけることが出来たなと感じています。
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