あなたへ
ねぇ、あなた。
次にこの世界で出会った私たちは、今度はどんな恋をするのだろう。
今の私が知らない私として生まれ変わった私は、
あなたとどんなふうに出会い、どんな時間を過ごすのだろうかと、
来世についてを考えるのは、これで何度目になるだろう。
来世の私は、あの頃のあなたが知る私よりも、
もっと素敵な私となって登場することが出来るのだと、
こんな自信を持つことが出来た私にとって、
次の人生を生きることもまた、より楽しみな時間となりました。
私はどんな私として、あなたの前に登場出来るかしら。
あなたはまた、私が聞きたい言葉を聞かせてくれるのかしらって。
人生が修行だと言うのなら、修行を終えた先では、
一緒に素敵な色を放ちながら、次の目的へ向かって進むのだと、
いつかの私は、こんなふうに思い描いた日があったけれど、
私たちはきっとね、それまで、
何度でもこの世界で出会って、色々な恋をするのよ。
ねぇ、あなたは、次にこの世界で出会った私と、
どんな恋をしたいですか。
いつかの私の中に見えた蘇る筈のない記憶はきっと、
前世の私たちの今度の約束。
前世の私たちが交わした約束は、確かに今世へと引き継がれ、
私たちは偶然を装った必然の中で、
ある日、突然に出会って恋をして、そうして、家族になりました。
今世に生きる私もまた、たくさんの今度の約束を見つけて来たように、
きっとね、
来世の私たちも、そのまた来世の私たちも、きっとまた、
今の私たちがまだ知らない今度の約束を交わすのでしょう。
実は私たちは、何度も生まれ変わりながら、
様々な今度の約束を果たし続けているのかも知れませんね。
だってきっと、どんなに長く一緒にいることが出来たとしたって、
ひとつの人生の中で出来ることって、限られているもの。
私たちはきっとね、何度でも恋をする相手なのよ。
私たちはきっと、何度も生まれ変わりながら、
叶えきれなかった今度の約束を見つけては、叶え続けて。
そうして、私たちにとっての全部を叶え終える時が、
生まれ変わる最後の人生なのかも知れませんね。
ねぇ、あなた。
私たちは、これまでに、
何度くらい、同じ人生を歩んだのだろう。
私たちはあと何度くらい、この世界へと生まれ変われるのだろう。
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