あなたへ
あれ?
あぁ、そういうことか
そっか
じゃあ、私は、あの姿だったあなたとは、一緒になれなかったってことなんだね
私が見つけた点と点が不意に結ばれたのは、昨夜のことでした。
あなたへの手紙を書き終えて、改めて、
私の中に見えた前世の記憶らしきものを反芻した私がふと思い出したのは、
いつか見た夢のことでした。
ねぇ、あなた。
前世の姿で、私に逢いに来てくれたのは、いつのことだっただろう。
私よりもずっと歳を重ねたあなたの姿もまた、とても素敵だったと、
あの夢の中を反芻しながら、こんな手紙を書きましたが、
あの日の私は、前世の私はきっと、あの姿のあなたと共に、
人生を歩んでいたのだと思っていました。
でも、蘇った記憶らしきものと、あの夢を線で結んでみれば、
あの夢の中で私を抱き締めてくれたあなたは、
一緒に人生を歩むことのできなかったあなただったのだと、
こんな答えを見つけてしまったのです。
私の中に見えた記憶らしきものは、既に、
前世では、
あなたと共に人生を歩めることは出来なかったのだの私に知らせていた筈なのに、
こうして点と点が結ばれてみれば、
私は何故こんなにも落胆してしまうのでしょうか。
あなたはきっと、何度でも、この世界で出会って、恋をする相手。
何度でも恋をする相手だからこそ、
過去世の中には、辛い恋があったのかも知れません。
それはきっと、互いにその人生で学び得たい何かがあったから、
だったのかも知れませんね。
もしもそうであるとするのなら、そこに隠されているのは、
生まれる前に交わされた約束なのかも知れません。
だって、この世界へと生まれ落ちた私たちが、
辛い気持ちのする今度の約束なんて、する筈がないもの。
そう。例えば、この世界で果たされる約束というのは、
前世での今度の約束と、
生まれ落ちる前の、魂としての私たちの約束が、
実は複雑に絡み合っているものなのかも知れません。
辛いことを分かっていながらも、苦しい約束を交わす理由は、
それまで知らなかった新しい自分を見つけるためなのかも知れないなと、
こんな視点を見つけることが出来たのは、
あの夏からの私が、どれだけ大きく成長することが出来たのかを、
感じているからなのかも知れません。
素敵な約束を交わすのは、肉体を持つ私たちの今度の約束。
そして、
苦しい約束を交わすのは、魂としての私たちの約束。
見つけたばかりの視点を使って、自分という存在を見つめてみます。
例えば、前世での私は、あなたと離れ離れになったことで、
何か大きな学びを得ることが出来たのでしょう。
その時に学んだ様々なことはきっと、そうとは知らぬ間に、
今世の私へと生かされているのかも知れません。
そうして、今世においては、
前世での今度の約束が果たされ、
やがて、あの夏がやって来て、あなたはこの世界から居なくなりました。
新たな視点を使って、今の自分を見つめてみるとするのなら、
今の私は、実は、
過去世の中の、どの自分も気付いてはいなかった新たな側面を兼ね備えた私へと、
成長することが出来ているのかも知れません。
今、あなたが何処にいるかだなんて、きっと全く関係ない。
今世の私が見つけた新たな自分という側面は、
あなたが見つけてくれた私だと言うことが出来るのでしょう。
それはきっと、
成長を続けることで初めて見つけることの出来る自分自身なのです。
だからこそ私は、どんなに離れていても、
あなたは私を成長さてくれる人なのだと、感じ続けることが出来るのでしょう。
どうしてあなたは、此処からいなくなってしまったの?
ねぇ、なんで?
どうして?
あの夏からの私は、何度、こんなふうに問い掛けて来ただろう。
私は、漸くひとつ、自分なりの答えへの入り口を、
見つけることが出来たのかも知れません。
突然に私の中で結ばれた点と点は、
明確な理由も分からないままに、私を落胆させて、
やがて、新たな視点をひとつ、私に見つけさせました。
どんなに遠くに離れていても、
あなたは私に何度でも恋をさせてくれる人。
そして、あなたは、
こうしてどこまでも、私を成長させ続けてくれる人。
私はきっと此処からも、あなたとの深い繋がりを感じながら、
この人生を歩み、成長し続けて行くことが出来るのでしょう。
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