拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

6月の空の色

あなたへ

 

梅雨入りしたばかりである筈なのに、夏によく似た季節がやって来て。

 

青空の下を歩む日々にも、ただ風を感じることにも、

幸せな気持ちを感じながらも、

あなたと見ていた季節は、あの頃のままであってくれたらと願ったのは、

先日のことでしたが、

ここ数日のこちらでは、また雨や曇りの日が続くようになりました。

 

夏が好き。青空が好き。

 

こんな私だけれど、ここ数日の私が愛おしいものを見つめるかのように、

とても梅雨らしい空の色を見つめたのは、

先日の私が、季節という視点からこの世界を見つめてみても、

少しずつ、あなたが知らなかった世界へと変わり行くのかも知れないと、

こんな視点を見つけたからでした。

 

季節という視点から、記憶を辿ってみれば、

思えば、私たちが子供だった頃の夏には、夕立と呼ばれる雨がありました。

 

夕立が去った後には、涼しい風が吹いて。

夏の季節に感じられる涼しい風には、特別な心地良さがありました。

 

いつから夕立と呼ばれる雨が降らなくなったのだろう。

 

いつの頃からか、ゲリラ豪雨と呼ばれる雨が降るようになって、

激しい雨が去った後には、蒸し暑さが残るばかりとなって。

 

私がこの世界へと生まれ落ちてからの、覚えている限りの季節を比べてみれば、

ほんの僅かにずつ、でも、確かに、

変わり行くものがあると言えるのでしょう。

 

いつの間にか、夕立という言葉が聞こえなくなったように、

いつかは、梅雨という言葉も、聞こえなくなってしまうのかも知れません。

 

あなたを見送ってから、20年が経ち、30年が経った頃の6月の私は、

どんな空を見上げているのかしらね。

 

此処に戻って来た梅雨の空を見つめながら、

今、目の前に広がるこの空の色を、大切に覚えておきたいと思いました。

 

 

www.emiblog8.com

 

 

1ページ目はこちらより↓↓

拝啓、空の彼方のあなたへ - 拝啓、空の彼方のあなたへ