拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

もしも本屋さんへ行かなかったのなら

あなたへ

 

久し振りに小説を読みたい。

こんな気持ちを見つけたのは、先日のことでした。

 

私が小説の類を読まなくなったのは、いつからだっただろう。

 

ここ数年の記憶を辿ってみれば、私が最後に小説の類を読んだのは、

押し入れの中で見つけた、あの、見知らぬ本だったような気がします。

 

あなたの側にいた頃の私の読書と言えば、小説一択であった筈なのに、

あの夏を迎え、やがて、

どう生きたいのかと自分自身へ問い掛けるようになった私は、

それまで縁遠かったジャンルの本ばかりを読むようになりました。

 

今の私の部屋に並ぶのは、

今の私にとって必要な学びや知識を得るための本ばかり。

 

きっとあなたが今の私の部屋を見たのなら、

随分と小難しい本を読んでいるね

なんて言いながら、笑うのかも知れません。

 

ここ数年の私は、学びや知識を得るために読書の時間を確保して来ましたが、

ふと、小説を読みたいと、こんな自分を見つけてみれば、

 

そこに描かれた世界観に引き込まれて、

時々、時計を気にしながらも、ついつい読んでしまう

 

こんな読書の仕方からもまた、

ここ暫くの間、すっかり離れていたことを思い出したのでした。

 

読んでみたいと思える本が明確にあることと、

漠然と、何かの小説を読みたいと思うことは、

全く違うものなのかも知れません。

 

漠然と小説を読みたいという気持ちを見つけただけで、

他のことを優先し続けた私は、

本屋さんへ行く時間を見つけられないままに、ここ数日を過ごしていましたが、

その時は、何の前触れもなくやって来ました。

 

人生というのは、どうしてこうも、

不思議なことが起こるのでしょうか。

 

普段はつけることのない時間帯に、何気なくテレビをつけてみると、

偶然にも、私の目に飛び込んで来たのは、小説の紹介がされている場面だったのです。

 

なんだかとても気になって、テレビ画面に釘付けとなった私は、

早速、見つけたばかりの本のタイトルをしっかりと覚えて、

本屋さんへと出掛けることにしました。

 

小説を読んでみたいと考えていたら、偶然、目の前に、

読んでみたいと思える小説の紹介が目に飛び込んで来た。

 

今日の私に起きたことを短く纏めれば、たったこれだけのことですが、

私は、こんなところにも、人生の面白さを感じてしまいます。

 

だって、今日の私に起きたことを少しだけ視点を変えてみれば、

明確な理由もなく、何故だかテレビをつけたくなって、

ただテレビをつけただけなのに、

読んでみたいと思える本を見つけることが出来た、とも見えるもの。

 

もしも、あの時間にテレビをつけることがなければ、

今日の私もきっと、漠然とした気持ちを自分の中に確認しながらも、

何か他のことを優先し、本屋さんへは行かなかったのでしょう。

 

もしも、本屋さんへ行かなかったのなら、

今日の私は、どんなふうにその時間を過ごしていたのかしらね。

 

こうして今日の小さな出来事に焦点を当ててみても、

やはり人生って、実は、不思議な偶然がたくさん詰まっているのだと、

私には、そんなふうに思えてしまうのです。

 

そんな不思議なものたちを集めながら人生を歩むのって、

なんだかとても楽しい。

 

さて、買ったばかりの本は、

早速、今夜から読み始める予定です。

 

この本は、どんなふうに私を引き込んでくれるのかしら。

もしも明日の私が寝不足であったとしたのなら、

この出会いは最高だったという証なのでしょう。

 

 

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