あなたへ
こうして初めて、
あなたへの手紙を綴った日のことを思い出していました。
中学3年生だったあの子の成長を見守りながら、
ゆっくり、ゆっくりと歩んでいたあの頃の私は、
不意に立ち止まっては、あの夏にいたあなたに手を伸ばして。
どんなにあの夏に手を伸ばしても、
あなたは決して私の手を取ってはくれなかったけれど、
それでも、こうしてあなたへの手紙を綴るというやり方を見つけた私は、
そちら側へ逝ってしまったあなたとの、
新たな関わり方を見つけられたような気がしていました。
こうしてあなたへの手紙を綴るのも、今日で9年目を迎えました。
あれからの私が、どんなふうに此処までを歩んで来たのかを振り返ってみれば、
この9年間に詰まった色々なものは、どれも私にとっての感慨深いひとつひとつ。
これ、と、ひとつだけを手に取ることが出来ない程に、
私は様々に成長をすることが出来たと感じています。
素敵な報告が出来るように、
私はいつでも成長を続けていたい。
これは、あなたへの手紙を綴るようになってからの私が見つけた視点でした。
もしもあの時、あなたが怖い話を聞かせてくれなければ。
いつかのあなたが言っていた通り、
電気とそちら側はきっと繋がっているのだと、
こんな証拠をあなたが見せてくれなければ。
そして、
あなたが書き遺した言葉がなければ。
私はきっとこうして、
あなたへの手紙を綴るというやり方へと辿り着けないままに、
今の成長を手にした私もまた、此処にはいなかったのでしょう。
あなたはもう、私のすぐ側にはいないけれど、
でも、こうして関わり方が変わっても、
やはり、私を成長させ続けてくれる人なのだと、改めて感じています。
あの夏を迎え、生きたいとは思えなくなってしまった私が、
しっかりと前を向いて生きることを望めるようになって、
私は私が生きたいと思える道を見つけられるようにもなって。
自分の人生に対して、まだまだ試行錯誤中の私ではあるけれど、
この、試行錯誤と向き合う日々を過ごすことが出来ているのもまた、
あなたのお陰だと言えるのでしょう。
あなたへの手紙を綴るようになって、
10年が経った頃の私は、
15年が経った頃の私は、
どんな景色の中で、どんな私へと成長することが出来ているのでしょうか。
今の私がまだ知らない成長や進化を遂げながら、
私は、どんなふうにあなたを想うのでしょうか。
此処からの自分の成長も、とても楽しみで仕方がありません。
いつでも私を成長させ続けてくれるあなたへ、たくさんの愛を込めて。
ありがとう。
いつでも愛しています。
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